[サンフランシスコ 12日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>が昨年末、家庭用防犯カメラなどを手掛ける新興企業、米ブリンクを約9000万ドルで買収していたことが分かった。事情に詳しい関係者がロイターに明らかにした。

関係者によると、アマゾンの狙いはカメラを売ることにとどまらず、他の機器の生産コストを下げたり電池寿命を延ばすことにつながる可能性のあるブリンクのエネルギー効率に優れた半導体が持つ将来性にある。アマゾンのネットワークカメラ「クラウドカム」を手始めに、いずれはその技術を人工知能(AI)スピーカーの「エコー」にも活用していくことを想定しているという。

クラウドカムとエコーの操作には現在、差し込み式の電源が必要だが、ブリンクのカメラはAAリチウム電池1個で2年間もつとされるため、電源が不要になる可能性がある。

アマゾンは、ブリンク買収の条件や戦略についてはコメントを拒否した。

アナリストはブリンクを、不在時でも無線鍵と監視カメラを使って家の中に荷物が届けられる新たなサービス「アマゾン・キー」戦略の一環とみている。このほかアマゾンは、スマートホーム技術の普及に伴い、家庭用防犯カメラ市場にも商機があるとみている。

ブリンクは単なるカメラ事業ではない。その保有者のイミディア・セミコンダクターは半導体業界のベテランらがビデオ会議やラップトップパソコン向けの半導体の設計を目的に設立された。ただラップトップPCへの販売計画はとん挫したため、自社でカメラを製造する計画に方向転換した経緯がある。

16年に発売されたブリンクの防犯カメラは、ライバル製品と異なり電源ケーブルを必要としない。その上、99ドルからという低価格も特徴。

アマゾンの元デバイス担当マネージャーで現在はマドロナ・ベンチャー・グループ幹部のスコット・ジェイコブソン氏は「バッテリー寿命は接続機器にとって大きな問題だ。電池が何カ月ももつ常時接続のカメラで、有線や設置のための電気工事がいらないとなれば形勢を一変する可能性がある」と指摘した。

その上で同氏は、アマゾンがブリンクの技術をドローンやレジ無し無人店舗のカメラにも適用するのではないかと推測した。