2月7日、米国は1年前にトランプ大統領が就任して以来、不公正な貿易を批判する姿勢を強めてきた。このためアジア各国の政策担当者にとっては、ドルが数年来の安値に沈んでいるにもかかわらず、公然と自国通貨を押し下げる口先介入に動くにくい状況が続いている。写真は米ドル紙幣。シンガポールで昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White/Illustration)

[ソウル/東京 7日 ロイター] - 米国は1年前にトランプ大統領が就任して以来、不公正な貿易を批判する姿勢を強めてきた。このためアジア各国の政策担当者にとっては、ドルが数年来の安値に沈んでいるにもかかわらず、公然と自国通貨を押し下げる口先介入に動くにくい状況が続いている。

 ただ持続的なドル安が輸出に依存する多くの国の競争力を低下させている中で、中央銀行がよりさりげない方法で通貨高抑制を目指しているもようだ。例えばタイの中銀は先週、規制緩和を通じて個人投資家の外国証券直接購入を認めた。対外資金流出を促し、4年ぶりの高値を付けたバーツ上昇に歯止めをかける狙いと見受けられる。

 アナリストによると、トランプ政権の通商面における強い態度が、アジア各国の為替レートにおける防衛ラインを修正させた面があることは、これらの国の中銀もある程度は認めている。

 債券運用大手ピムコのグローバル経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「トランプ氏にはより強力な武器、つまり保護主義という脅し文句がある。だから欧州と日本はドル安に渋々同意し、自分たちの通貨上昇を止める口先や実弾の介入には動いていない」と指摘した。

 ドルは2017年初めから着実に下げ続けている。こうした長期のドル安において重要な場面となったのは、1月下旬に弱いドルが米国にとって好ましいとムニューシン財務長官発言したことだった。