[東京 14日 ロイター] - 東芝<6502.T>は14日、2018年3月期末の株主資本が4600億円のプラスになる見通しと発表した。昨年12月実施の6000億円の資本増強などにより債務超過解消が確実になり、企業存続への懸念を示す「継続企業の前提に重要な疑義」を持たれる状況から抜け出したと説明している。一方で、半導体メモリー事業の売却予定に伴い、通期営業利益予想を従来の4300億円から収支均衡(利益ゼロ)に下方修正、来年度以降の収益構造に不安を残す格好となった。

<メモリー売却で営業利益はゼロ予想に>

東芝で利益の大半を稼ぐメモリー事業を、米投資ファンド、べインキャピタルなどで構成する企業連合に売却するのに伴い、2017年4─12月期から同事業の利益を営業損益から除外する会計処理を行った。これにより通期の営業利益予想を、昨年11月時点公表の4300億円から利益ゼロに下方修正した。

財務担当の平田政善専務は記者会見で、今年度は600億円の構造改革費用に加え、中国企業に売却したテレビと、見直しを進めているパソコンの両事業での400億円の赤字を見込むが、その分、来年度には1000億点程度の改善要因があると説明した

とはいえ、今年度3兆9000億円と見込む売上高に対し、「(営業利益)1000億円程度では、到底、株主が期待する投資リターンにはならない」(平田氏)。同社は現在、同社は中期経営計画を策定中で、メモリー売却後の注力分野となる社会インフラ事業で稼ぐ姿をどう示すのかが課題となる。

<上場は維持見込み>

株主資本4600億円(昨年11月時点の前回予想では7500億円のマイナスの予想)の見通しは、メモリー事業の売却が3月末までに完了していないことが前提だ。

債務超過の解消は、資本増強のほか、メモリー事業における提携先の米ウエスタンデジタル<WDC.N>と和解し、同事業の売却が1年以内に完了する確実性が高まったこと、経営破綻した元原発子会社の米ウエスチングハウスに対する債権の第三者への売却が完了したことによる税負担の軽減といった要因が寄与する。

資本面での危機回避に加え、現時点において資金繰りの懸念も解消していると同社は説明している。

同社はメモリー事業売却に伴う税引き後の売却益として1兆0800億円を見込んでいる。残るは中国だけとなった独占禁止法の審査を経て売却手続きが完了すれば、株主資本は1兆円近く上積みされる見通しだ。平田氏は、「上場維持は見込める状況だがまだ財務的には弱い」と述べた。

*内容を追加しました。

 

(浜田健太郎)