「自分なりの意見」を示せていれば
課題文に賛成してもいい

「課題文の内容をなぞらない」ということは、「筆者の主張に賛成してはいけない」というわけではありません。自分なりの意見が書けていれば、賛成しても全く問題はありません。

【高評価の解答例(2)】
英語教育において「リスニングやスピーキングに力を入れるべきだ」という考え方には同感だ。しかし、その実現のためには、教員の指導力を高めることが前提だ。日本の教員は、従来型の文法や英文読解重視の教育の中で育ってきたのだから、急にリスニングやスピーキング重視に舵を切っても、指導力不足で混乱するだけである。そのため、教員に対してリスニングやスピーキング指導ができるように十分な研修を受けさせる、あるいは外国人英語指導助手を増やし、日本の教員ができない部分を補うなどの対策が不可欠で、そのような指導力強化を前提として改革を進めていくべきだ。(以上)

高評価の解答例(2)は、筆者の意見に賛成しつつも、「その実現のためには教員の指導力を高めることが前提」という課題文の筆者が気づいていない論点を提示しています。単なる課題文の追従を脱し、「自分なりの意見」をプラスすることができています。これは、合格答案です。

「課題文を読んで自分の考えたこと」を導き出すためには、下記のような方法があります。

【課題文を読んだ上で「自分の考え」を導くための考え方】
・課題文の弱点や矛盾点を突いて反論する
・賛成する場合、別の観点から根拠を示し、課題文の正しさを補強する
・賛成しつつも別の問題点を提示する
・課題文への賛否を示さない書き方の場合は、課題文の内容を受けて、自分なりの論点を提示する

つまり「課題文を読んであなたの考えたこと」を書くためには、「課題文以上の何か」が絶対に必要だということなのです。

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