日本人の弱点の
リスニング力を鍛える

 第二言語習得研究では英語の効率的な習得プロセスが明らかになっている。大まかに言うと、初めに語彙文法があり「読む・聞く」という受容スキルを経て、「話す・書く」という産出スキルに移ってゆくというものだ。つまり、リスニングが苦手だという学習者がこの順番を無視して「話す練習」に励むのは非効率だということだ。

 日本人の学習者には、文法や語彙はある程度あり、ゆっくりならば英文も読めるが、聞いたり話したりするのは苦手という人が少なくない。この場合なら、当然「聞く練習」に重きを置いたメニューを組むことになる。ここまでなら自分でもできそうだが、第二言語習得研究を用いれば更なる効率化を図ることができる。

 「一口にリスニングが苦手だと言っても、その理由はさまざまです。知識不足のこともあれば、英語の音が聞き取れないという段階の人も、文法の処理が遅くて流れについて行けない人もいます。その人のつまずきに合わせて、既存のメソッドの中から効果のあるものを選択します」(岡社長)

 例えば「音が聞き取れない」という課題がある場合、聞こえた通りに文字に起こす“ディクテーション”が効果的。次に、音声と一緒に発音する“オーバーラッピング”を行う。ここでは音声通りに発音しないと全体の「尺」がずれてしまう。さらに音声を聞きながら、少し遅れて真似して音読をする “プロソディーシャドーイング”を行う。これらのトレーニングは全て、音声知覚を自動化するというプロセスに当たる。ただ「音が聞き取れない」という課題のために、これだけ細かく分類されたトレーニングが存在するのだ。

EFL環境で第二言語を習得するためには
負荷をかける必要がある

恵学社
田畑翔子 取締役
「ENGLISH COMPANY」
担当部長

 「日本で英語を学ぶ環境は、EFL環境(English as a Foreign Language)といいます。教室から一歩出れば、英語を使う環境はなく、そこが留学とは違う点。EFL環境で第二言語を習得するためには、スポーツジムで筋肉を付けるように、意識的に負荷をかける必要があります」

 そう語るのは、同社創業メンバーであり言語教育情報学修士やTESOL(英語教育の国際資格)を持つ田畑翔子取締役だ。

 「ENGLISH COMPANY」では、学習者の課題を基に無駄のないトレーニングメニューを設定する。

 「『ひとまずTOEICのスコアを上げたい』という学習者もいれば、『自分の英語習得の目標は会議やプレゼンだ。だから会議のための英語の練習をしたい』という学習者もいます。ただ、英語学習の効率を意識するのなら、まずフォーカスすべきは目標よりも、自分の現状の課題です」と岡社長。

 また、これまでありそうでなかった「時短型」英語ジムであるともいう。

 「一般的な勉強方法でTOEICスコアアップを目指した場合、300点のアップにかかる期間を仮に2年とします。『ENGLISH COMPANY』へ通っている学習者の中には、3か月で300点のスコアアップに成功している学習者もいます。効率的な学習をすることで、学習期間が短くて、成果を出すことができ、およそ600日の『時短』が実現したことになるのです」(岡社長)

 評判は口コミで広がり、“スタジオ”と呼ばれる教室も、東京、横浜、大阪、京都の10拠点に拡大。学問的な根拠に基づいたトレーニングが、日本の英語教育に大きなインパクトを与えている。

都内には、恵比寿、神田、品川、新宿、有楽町、四谷、池袋に"スタジオ"がある。カフェのようなシンプルで居心地の良い空間

問い合わせ先
株式会社恵学社「ENGLISH COMPANY」
URL:https://englishcompany.jp/