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営業をいかに変えるか

営業担当者のアーキタイプを分析する
「幸せな敗北者」の心理学

Leveraging the Psychology of the Salesperson

G.クロテール・ラパイユ
2012年8月21日
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心理学者そして文化人類学者であるG.クロテール・ラパイユは長年にわたって多文化における深層心理のパターン:アーキタイプについて研究するなかで多くのグローバル企業のマーケティング活動をサポートしてきた。ラパイユによれば、顧客からどれほど「ノー」と言われてもへこたれない営業担当者に共通するアーキタイプは「幸せな敗北者」だという。このキーワードから、営業担当者独特の心理状態は解読可能となり、ひいては彼らをリードし、鼓舞するための改善策が見えてくる。

営業担当者は「幸せな敗北者」である

 営業という行為には、何かしら人を引きつけるものがある。営業に従事する人々の、何度も何度も断られても必ず立ち直る不屈の精神、そしていつかは必ずうまくいくという信念には称賛を禁じえない。しかし同時に、営業担当者たちが受ける過酷な仕打ちを見聞きするからだろうか、営業という仕事にはたえず嫌悪感がつきまとう。

 ピューリッツアー賞を受賞したアーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』(注1)は、仕事の空しさのせいで破滅に至る1人の善良な男を描いた物語である。デイビット・マメット原作の映画『摩天楼を夢みて』(注2)で描かれる営業マン像はさらに絶望的で、成功するにはモラルを捨てるしか道はないかのようだ。ではいったい、どのようなタイプの人間が営業担当者にふさわしいのだろうか。また、どのようにこの仕事と折り合いをつけているのだろうか。

 これらの疑問についての考えを聞くために、G. クロテール・ラパイユにインタビューを試みた。心理学者にして人類学者、そしてマーケティングのグールーでもあるラパイユは、この問題にコメントするにふさわしい人物である。

 彼はパリのソルボンヌ大学から、政治学と心理学の修士号と医療人類学の博士号を取得している。フランスで10年間、精神分析医として働き、フロイト派とユング派の手法を実践した経験もある。

 ラパイユの研究テーマは文化が事業活動や市場に及ぼす影響であり、これまでにシャンプー、コーヒー、自動車、トイレット・ペーパーなど、日用品の文化的意義を探求した書籍を何冊か著している。最近出版された著作としてはThe Culture Codeがある。

【注】
1)
Arthur Miller, Death of a Salesman: Certain Private Conversations in Two Acts and a Requiem, Viking Press, 1949.(邦訳『セールスマンの死――或る個人的な対話二幕と鎮魂祈祷』早川書房、1950年。現在『アーサー・ミラー全集1改訂版』に収録)
2)
David Mamet, Glengarry Glen Ross,1984.も『セールスマンの死』同様、ピューリッツアー賞ならびにトニー賞を受賞している。

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