しかしアレですわ、うちの坊主がね――、と切り出したのはエンジニアくんだ。

 エンジニアくんって誰? と言われる方は、わからないままでもいいと思います。理由。それを知るためにはクソ長いものを読まなければならないから。たいへんだぞ、アレを読み返すのは。経験者が言ってるのだから嘘じゃない、たぶん。

 で、なんや、きみとこのお子さんがどないしたんや――、と訊いてみたところ、エンジニアくんはものすごい訝しげな目で私を見て、私の関西弁にダメを出す。

「前から言おう言おう思っとったんですけどね、その関西弁。真似してるつもりなんでしょうけど、ビミョーに……、ちゅうか、ぜんぜん違ゃいまっせ。テケトーにもほどがありますがな」
 「なに言っとんねん、違うことあるかいな。最後に“でんがな”付けときゃ、大阪じゃたいがい通じまんがな」
 「そこですがな」
 「どこやねん」
 「せやから、そこと言うとるやろ」
 「せやから、どこと訊いとるやろ」

 すると、真顔で、ちょっとえぇですか。などと言う。

 ちょっとと言いながらたくさん書く無能なモノ書きを私は知っているので、ちょっとと言いながら五つも六つもご託を並べるとろくな人間にならんぞ。と言うのだが彼は当たり前のようにスルーする。

「えぇ加減、ボケるの、やめまへんか? ぜんぜん話が進まんのですわ」
 「話が進まんだと? きみ、いま自分が誰に向かってモノを言ってるか、わかって言ってるんだろうな。私を誰だと思ってるのだ」
 「××さんですよね」
 「わかってるじゃないか。もしかしたら世良公則と間違えてるんじゃないかと思って心配していたのだ、実は。よく間違えられるんだよ、私。自分で言ってるんだから嘘じゃないぞ。たぶん」
 「そーやってすぐボケようとするから話が進まんのやないですか」

 だそうです。伏せ字には私の名前が入るらしいのだけど、私の話ってそんなに進まないのかな。前フリだけで三週間も使ったやつの台詞とは思えん、とツッコまないよーに。

 というわけで、承前です。

 承前――、などと書くと、これは何が何でも連載で、ということはほとんど眠らず、我が身を削り、へろへろになりながらやっと玉稿を書き終えてもすぐに次の〆切が来るってことやんけ。おかげでガールフレンドとデートする時間もないがな。

 と憤ってしまう私ですが、前のパラグラフにとんでもない不適切かつ身の程知らずの表現があったことをお詫びします。嗚呼、私の書いたものが早く“玉稿”と呼ばれる身分になりたい。そーすりゃ〆切なんか後まわしにしたって怒られないのに。

 お詫び。前のパラグラフにも、おそらく、あきらかな誤りがあります。