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もう“ママチャリ”とは言わせない!
異色コラボで誕生した「おしゃれで安全な自転車」

木村明夫
2012年2月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
おしゃれなフォルムの自転車「HYDEE.B」。ファッショナブルではあるが、安全性も感じさせてくれるデザイン。あなたも乗ってみたい?

 幼稚園への送り迎えなどで、自転車に子どもを乗せている人も多いだろう。いわゆる「ママチャリ」に子どもを乗せての運転は、さぞ大変に違いない。バランス感覚が良いとか悪いとかいう問題ではなく、いつ遭うかわからないのが事故というもの。車がないからなど、仕方なく子どもを乗せて自転車を走らせなければならないという事情もあるのだろう。

 ブリヂストンサイクル株式会社も、できるだけそんなニーズに応えるべく、安全性を考慮した開発に力を入れて来た。しかし、同社の開発チームは、「もっとおしゃれに子どもを乗せたい」というニーズにお応えできていないのでは?」と、疑問を感じていたという。

 そんなとき、光文社の『VERY』編集部から、「ブリヂストンサイクルと共同で、おしゃれで安全に子どもを乗せることができる自転車作りをしませんか」と申し出があったという。

 『VERY』は、光文社発行の30代後半~40歳前後の既婚女性を対象としているファッション雑誌。課題を抱えていたブリヂストンサイクル開発チームにとっては、思ってもみない申し出だっただろう。そして、共同開発された自転車が『HYDEE.B』(ハイディビー)というわけだ。

 大企業は、他社からの提案に聞く耳を持たない場合がしばしばある。個人的な見解では、自社の実績にあぐらをかいている企業ほど、聞く耳を持たないものだ。特に、工夫することを考えるよりも、コストダウンだけしか考えていないため、企業の成長は望めない。民間による行政への提案も、また然りである。その点、ブリヂストンサイクルがファッション雑誌の提案を受け入れたことは、評価できると言えないだろうか。

 気になる「HYDEE.B」(ハイディビー)の仕様を簡単に紹介しておきたい。電動アシスト自転車であることはもちろんのこと、充電可能回数も従来の2倍の高耐久仕様となっている。しかも取り外しが簡単で、電話の子機のように充電器に立てるだけという簡単操作が可能だ。

 チャイルドシートが、いかにもファッション雑誌とのコラボらしい。シートの色が赤・黒だけでなく、迷彩色も用意されている。1台で2色のカラーが楽しめるように工夫されているのもおしゃれだ。この子ども用シートは、おしゃれだけではない。フレキシブルヘッドガードが着用されていて、子どもの成長に合わせて、ヘッドガードとフットレストの位置が調整可能になっている。

 タイヤも普通のママチャリとは一線を画している。タイヤの幅が広いマウンテンバイクタイヤ(以下、MTB)で、安定した走りを実現しているのだ。確かに、競技用のマウンテンバイクにMTBが使われる理由は、自転車のバランスを安定させ、良い成績を残すためだ。自転車が転ばないように考えるならば、普段乗っている自転車のタイヤにもMTB用を使えばいいわけで、これは盲点だったかも知れない。それに、ママチャリなのにMTBタイヤとは、なかなかおしゃれではないか。

 そして、何より人目を引くのが大型フットガードだろう。もしも子どもが、足をぶらぶらさせて車輪が足に巻き込まれてしまったとしたら、大事故に至る可能性もある。ファッション性を損なわず、なおかつ安全性を重視した工夫と言えるだろう。

 価格は税込価格で13万9800円と少々高めだが、アシスト付き自転車の中では突出しているとは言えない。ファッション性と安全性を両方考慮し、長期間乗り続けることができれば、安い買い物かも知れない。

 実際、売れ行きは上々で、先行予約200台が40分で完売し、2011年度のグッドデザイン賞も受賞している。『VERY』が提案する「子育ては母親だけがするのではなく、父親も一緒に育児参加していく」という思いが、ブリヂストンサイクル開発チームとの絶妙なコラボによって実現した。

 個人的には、「自分の子どもが小さかった頃にこんな自転車があったなら、もっと子どもたちを自転車に乗せて、遊んであげることができのに」と思うと、少々残念な気がした。

(木村明夫/5時から作家塾(R)


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