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吉田恒のデータが語る為替の法則

ユーロは欧州債務問題の改善によって
上がっているのではない。そのワケは?

吉田 恒
【第189回】 2012年2月13日
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 ユーロの反発が続いています。そこで、今回はユーロのこの先の行方について考えたいと思います。

 私は、ユーロ高は「誤差の範囲内」に入ってきたと思っており、基本的に1.4ドルを大きく超えるものではないと思っています。

ユーロの反発は欧州債務危機が
改善しているからなのか?

 ユーロは、2012年1月中旬から反発に転じると、最近は1.32ドルを超えるところまで反発してきました(「資料1」参照)。

資料1

 これは、欧州債務危機の改善を受けた動きなのでしょうか。

 ギリシャやポルトガルに不安が残っていることから、さらにユーロ高が進むことについて慎重な見方も少なくないかもしれません。

ユーロの動きと
欧州債務危機はあまり関係ない

 そこで、「資料2」をご覧ください。最近のユーロの動きに、欧州ソブリン債のデフォルト・リスクを数値化した欧州CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数を重ねてみたのが「資料2」です。

資料2

 この欧州CDS指数こそ、欧州の債務危機をかなり反映した指標と言えそうです。そして、そのCDS指数とユーロは、すでに2011年12月頃からあまり関連性の見えない動きになっていました。

 要するに、少し極端な言い方になりますが、ユーロの動きと欧州債務危機はあまり関係ないのではないかと思えるのです。

 もちろん、日々のニュースで、たとえばギリシャとの交渉が難航ということになれば、ユーロが売られるということはあるわけですが、遠巻きに見るとあまり関係はなさそうです。

 むしろ、「資料2」のように、欧州ソブリン債のデフォルト・リスクが最近にかけて大きく低下していることを見ると、欧州への信用はかなり回復していると考えられるので、もしも、欧州債務危機をユーロが直接的に反映しているのなら、「ユーロ/米ドルは1.4ドルを超えたユーロ高になっていてもおかしくない」という話になるのです。

 私が言いたいのは、この間のユーロの動きと欧州債務危機は、それほど関係ないだろうということです。

最近のユーロの動きは
ドイツの金利で説明できる

 では、この間のユーロの動きを説明してきたのは何かというと、「資料3」のように欧州の中核金利であるドイツの金利の動きです。

資料3

 こうしたドイツ金利の動きからすると、最近にかけてのユーロ高もそれほどおかしくないようです。

 では、肝心のこの先はどうでしょうか?

 「資料4」は、ドイツ金利(1年債利回り)のグラフです。

資料4

 ECB(欧州中央銀行)の政策金利を反映する傾向のあるドイツ金利(1年債利回り)は、2011年11~12月の2度の利下げ後も低下を続けましたが、年明け早々底を打ち、最近は昨年12月の2度目の利下げを行った時の水準まで戻ってきたことがわかります。

 この動きは…

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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