新社会人が今知りたい「入社後」の話 <br />聞き手:ライフネット生命社長 岩瀬大輔<br />「人気学生ブロガー」だった岩瀬さんの話に、興味津々の小林さん
新社会人が今知りたい「入社後」の話 <br />聞き手:ライフネット生命社長 岩瀬大輔<br />岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長。1976年埼玉県生まれ。東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)など多数。

自費留学で磨かれたハングリー精神

岩瀬:毎日1時間か2時間くらいだったと思います。でもだんだんと速く書けるようになりました。慣れだと思います。訓練すれば速くなるものです。

小林:でも、勉強がとても忙しい中で書かれたんですよね。それが驚きで。

岩瀬:書かないと忘れてしまうので、どんなに忙しくても、それこそ予習の時間や寝る時間を削ってでも、「復習」に時間をあてるようにしていました。留学経験者からは「なんであんなに忙しい中で書けたの?」と言われますが、実は簡単なことで、僕はクラスメートとの飲み会などには行かなかったんです。そのくらい、書き留めるということのプライオリティ(優先順位)を高くしていました。1日24時間しかない時間をどう配分するかというのは、とても大事なことだと思います。時間に対してそれだけシビアになれたのは、自腹で留学したから、ということもあります。

小林:自費留学だったのですね。僕もUtah大学への留学は、アルバイトで貯めたお金で行きました。留学前は、朝4時に起きてコンビニでバイトをしてから大学に行き、夜はアパレル店やバーガーショップで働くという生活をしていました。アルバイトの時給はよくても1500円くらいですが、留学先の授業を計算してみると1コマ90分でだいたい7500円でした。この留学のためにどれだけバイトをしてきたんだと思うと、少しもその時間を無駄にできませんでした。あと、今通っている大学の学費も自分で払っています。

岩瀬:素晴らしいことですね。企業派遣などで会社のお金で来ている人の中には、授業中に寝てしまっている人も見かけましたが、自腹だと「この授業1コマいくらだっけ? 元を取らなきゃ!」というハングリー精神みたいなものが強くなります。

小林:それはよく分かります。岩瀬さんは留学から帰国後、今度は起業という道を選択されました。当時としては珍しいキャリアだったと思いますが、キャリア観の変化についてもお聞かせください。今はキャリアがとても多様化していて、岩瀬さんのように一度就職してから起業する人もいるし、最初から起業家になる人もいる。最近は「30歳までは新卒として採用します」という会社もあるし、「新卒」の定義がもはや消えつつありませんか?