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吉田恒のデータが語る為替の法則

こうなると、米ドル/円は「2014年120円」になる!「逆バブル破裂」がキーワード!!

吉田 恒
【第190回】 2012年2月15日
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 2014年X月X日、FOMC(連邦公開市場委員会)終了後の記者会見で、FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は眉間(みけん)にシワを寄せ、苦渋に満ちた表情でこう語った。

 「我々はインフレを阻止するべく、FF(フェデラル・ファンド)レートを10%以上に引き上げるなど、金融政策を総動員する覚悟がある――」。

 もし、このようになったら、米ドルはどれだけ上がることになるのでしょうか?

バーナンキ議長は間違えたのか?

 現在、対円での米ドルの歴史的な下落局面が続いています。

 それが大きく反転するとの見方が少ない第一の理由は、FOMCが「2014年まで現行の実質ゼロ金利政策を継続する」、つまり、「この先数年間は利上げをしない」と発表していることにあるでしょう。

 しかし、その方針が大きく変わるようなら、どうでしょうか?

 「米国が2014年より早く利上げに動きそうだ!」となったら、さらに、2014年にかけて複数回の利上げが行われ、米国の金利が大幅に上昇する見通しが広がるなら、米ドルを取り巻く風景が一変する可能性もあるでしょう(「為替相場にも『大変なこと』が起こるのか?米国の金融政策大転換まで『もうひと息』」など参照)。

米ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 最近、ある海外のメディアに、かつて「FED(=FRBのこと)に最も近いジャーナリスト」と呼ばれた人物の署名入りで、「バーナンキの悲観的見方は間違いか」といった記事が載っていました。

 2014年まで利上げしないと決めたバーナンキ議長やFRBの判断は間違いではないかとの見方が浮上し始めているのです。

 これは、米ドルを取り巻く風景画が一変することになる始まりではないでしょうか?

経済局面の大転換期は、
中央銀行も政策判断を間違える

 では、「世界一の中央銀行」と言っても過言ではないFRBが、間違うことはあるのでしょうか?

 じつは、中央銀行の政策が間違うことは、これまでに何度もあったのです。とくに、バブル破裂のような経済局面の大転換期では、よくあったのです。

 日本を例にとって見てみましょう。バブル崩壊は1990年のことで、その後の日経平均株価は急落に向かいました。原則として、金融政策は「ブレーキ役」となるはずであり、株価急落局面においての日銀は、「ブレーキ」をかけるべく利下げしなければなりませんでした。

 ところが、日銀の政策はまったく逆で、利上げを行ったのです。

 ただ、後になってから、景気悪化を深刻化させた間違った政策だと批判されましたが、当時は、じつは決して違和感がない政策判断だったようでした。

 なぜなら、当時はまだバブル崩壊が一般的な認識とはなっておらず、むしろ、バブル退治のため手を緩めるべきではないとの考え方が多かったため、株価急落局面でも利上げは当然視されたのです。

 これは、2000年のITバブル破裂後の米国も同じでした。バブル破裂で株価急落が始まった中で、FRBの最初の政策変更は、やはり利上げだったのです。

 以上から、経済局面の大転換期においては、「金融政策の終盤は間違うのが普通」とさえ言えることがわかります。

「逆バブル破裂」がキーワード!

 それでは、間違った金融政策が行われた後、どのようなことが起こったのでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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