TOEIC300点台の日本人の両親のもとで育ち、旅行などの短期滞在を除いて海外在住はゼロ。まさに世間で言われる「純ジャパ(純ジャパニーズ)」は、なぜ独学で10ヵ国語を身につけられたのか?『純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』が話題沸騰の10ヵ国語を操るマルチリンガル・秋山燿平氏に最短で外国語を話すためのコツを教えてもらう。今回は、「暗記すべき単語・表現」の選定法について解説します。

外国語学習のヒントは「日本語の会話」

 前回、そして前々回の記事では、「不要な単語を暗記したり、文法は会話に必要な表現だけを覚えればいい」というお話をしました。では、どのような単語・表現を覚えればいいのでしょうか?そのために参考となるのは、普段あなたが話している日本語です。初対面の外国人と話すとき、日本語でどのような会話をするかを考えましょう。たとえば、次のように想定します。

• 私は日本人です。
• 私は東京に住んでいます。
• 私は英語を勉強しています。
• 私はアメリカに行ったことがあります。
• 昨日、何をしましたか?

 ここから逆算すると、次の単語・表現を覚える必要があるとわかるはずです。

【単語】
 私、日本人、住む、英語、勉強、行く、昨日

【表現】
・私は~です
・私は~しています
・私は~したことがあります
・何を~しましたか?

 ほかにも、実際の会話を想定すれば、「はい」「いいえ」といった返答や「なるほど」「すごい!」などの相づち、「~ではない」といった否定の表現など、絶対に覚えておかないとまずい単語・表現がわかるでしょう。

 このように、想定される会話の中から必要な単語・表現を選定していくことで、「超実用的な単語・表現」だけを覚えることができるのです。これは、テストに確実に出る単語・表現だけを覚えるようなもの。「apple(りんご)」「huge(巨大な)」「table tennis(卓球)」といった普段の会話でまったく使わない単語、また「現在完了形」「現在進行形」といった難しいネーミングの文法を覚えていたときとは比べ物にならないほど、「会話」に直結する有意義な学びとなります。

 拙著『純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』では、僕が複数の言語で必要な単語・表現を選定した経験から、「どんな言語でも絶対に必要な単語200・表現30」をリストアップしています。もし、一から自分で単語・表現を選定するのが面倒だと感じた人は、ぜひ本書のリストも参考にしてください。