ステップ1:相手を知る

 なにより、まず、相手を知らなければ、ピントの合った話をすることはできません。具体的には、次の5点を確認する必要があります。

<場の要請>
(1)スピーチが行われるのはどのような主旨の場か?
(2)主催者は誰か? この機会を通じて、何を達成しようとしているのか?
(3)主催者はスピーカーに何を期待しているのか?

<聴衆の関心>
(4)聴衆は誰か? どんな特徴があるのか?
(5)聴衆は、何について聴きたいと思っているのか?

 場と聴衆について深く理解することで、どのような会場で、どのような流れの中でスピーチを行うのか、聴衆は何を求めているのかを把握することができます。

ステップ2:メッセージを絞り込む

 次に、メッセージを絞り込むことが必要です。メッセージとは、スピーチ全体を通じて、聴衆に伝えたい思いや主張のことです。

 スピーチでは、往々にして、数多くのメッセージを詰め込んでしまいがちです。知っていることをたくさん話すことが、聴衆にとって親切だと思っているとすれば、それは大きな勘違いです。

 あれもこれも詰め込んでは、話が伝わりません。1つのスピーチで、1つのことを伝えるぐらいがちょうどいいのです。一番伝えたいメイン・メッセージを1つに絞り込み、そのことに関係が深く、どうしても触れたいことをサブ・メッセージとして3つほど準備する。そして、重要度の違いを意識して話をするのがよいでしょう。