──Amazonの仕組みもいち早く導入されたようですが、それはどういう経緯だったのでしょうか?

西條 ツイッターから陸前高田市消防団にボランティアに入っていた人からダイレクトメッセージで連絡がきたんです。1か月経過してもお風呂にすら入れていないので、簡易お風呂をつくるための材料やチェーンソーなどを掲載してもらえないかという依頼を受けたので、それをすぐに掲載してツイッターで拡散したんです。

 すると、それを見たAmazonの渡辺弘美さんから「『ほしい物リスト』というのがあるんですが、それを活用してみませんか」と連絡がきたんです。「ほしい物リスト」とは、元々誕生日プレゼントをほしい人が、自分がほしいものを掲載しておくことで、希望のプレゼントがもらえるという仕組みなんです。それを避難所への支援として応用したわけです。このAmazonを通した仕組みだけで、家電や自転車なども含めて2万4000個以上の物資が送られています。

──山積みになっていた行政の物資はどうなったんでしょうか?

西條 県や市など、まだ余っているところはたくさんあるはずです。なかには進んで連絡をくれる自治体もあるのですが、新聞記事などに報道されるまでは黙っているパターンも多いみたいですね(笑)。僕らは、岐阜県、愛知県、宮城県、福島県、大分県、大阪市、仙台市、横浜市などで行き場をなくした物資を、10tトラックで40台分以上をマッチングして、被災地で必要としている人たちに送っています。

「物資支援」とひと言でいっても、

(1)家にあるものを送ってもいい仕組み
(2)Amazonを通した仕組み
(3)行政で行き場のなくした膨大な物資をマッチングする仕組み

 といったように、方法はいくつもあります。

──これを読んでいる方で「何かしたいけど、日本赤十字社はどうかと思って一歩が踏み出せなかった」という人はすぐに支援することができるわけですね。

西條 そうですね。Amazonを使えば必要としている人にいますぐにでも送ることができるので、関心のある方やぜひ実行して、この仕組みを実感してもらえたらと思いますね。

 

 明日は、「重機免許取得プロジェクト」と「家電プロジェクト」を紹介。今週金曜日まで毎日続く「人を助けるすんごい仕組み」の連載をお楽しみに!


『できることをしよう。』&『人を助けるすんごい仕組み』刊行記念 
糸井重里さん&西條剛央さん紀伊國屋ホール講演会・緊急開催のお知らせ

日  時|2012年2月23日(木)19:00開演(18:30開場)
会  場|新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4階)
料  金|1,500円(全席指定・税込)
前売取扱|キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5階10:00~18:30)
電話予約|紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間10:00~18:30)
主  催|紀伊國屋書店
協  力|新潮社・ダイヤモンド社
※イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。詳細は各店にお問い合わせください。
※定員になり次第、チケットの発行を終了させていただきます。なお、当サイトでのチケット完売のご案内は遅れる場合があります。チケットの残数については上記へお問い合わせください。残席がわずかとなっておりますので、いますぐお申し込みください。


【関連サイト】
ふんばろう東日本支援プロジェクトHP
本で社会を変えよう!チャリティーブックプロジェクト
・1か月にランチ1回分(1000円)からの支援の新しいカタチ「ふんばろうサポータークラブ」
・3.11イベント縁から絆へ~ずっと忘れない 出演:大貫妙子、沖仁、宮本亜門他
・マンガ・イラストチャリティーオークション


【新刊のご案内】
人を助けるすんごい仕組み~ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか~

【第1回】<br />GACKTからAmazonまで次々支援!<br />日本最大級の支援プロジェクトは<br />どうやって生まれたのか?

「あらゆる仕事の場で役に立ってしまう本になったと思う。」――糸井重里
アマゾンの「ほしい物リスト」を援用し、2万4000個の物資を被災地へ届けたり、「重機免許取得プロジェクト」で計200人以上の重機免許取得者を生み出したりと、行政や日本赤十字社もできない支援の仕組みから、1000人超の組織を無給で運営する秘密、トラブルを減らすための7か条まで、ぜんぶ一挙に公開!大反響!糸井重里氏との対談『西條剛央さんの、すんごいアイディア。』も著者視点で新収録!ぜひご一読ください。

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西條剛央(さいじょう・たけお)
早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は心理学と哲学)。1974年宮城県仙台市生まれ。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。
自身が創唱した構造構成主義を用いることで、ボランティア未経験ながら、日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。
遠方からでも参加できる新たな仕組みを作ることで、3万回以上の物資支援や、2万5000世帯以上への家電支援を実現。主著に『構造構成主義とは何か』など。
【ふんばろう東日本支援プロジェクトHP】