メールやルーティンワークで
1日が終わる人はどこがダメか

仕事ができない人の「やることリスト」はなぜ多いのか?残業がない国、シンガポールにあっても、仕事を溜め込む人は少なからずいることをマーライオン目で憂う筆者

 仕事の効率が悪い人に仕事の仕方を見せてもらうと、「やることリスト」にたくさんの作業を書き込んでいる場合が多い。とはいえ、たくさん書いていることが問題なのではない。2~3日経ってもリストの内容がほとんど変わっていないことが問題なのだ。

 やることリストが変わっていないなら、ここ数日ちゃんと働いていなかったのかと思いきや、さぼらず真面目に働いていたりする。しかし仕事の進捗を聞くと、ごにょごにょといまだできていないことの言い訳を語り始める。

 さぼっていない。でも「やることリスト」はこなしていない。これはなぜなのだろうか。筆者はその原因をざっくりと考えてみた。

「やることリスト」から逃れる心得(1)
文書はじっくり考えて書かない

「やることリスト」が一掃されない理由の1つとして、最もありがちなのが、日々のメールやルーティンワークだけで1日が終わってしまうことだ。

 仕事の効率が悪い人は、得てして一つひとつの作業が遅い。1通のメールを書くのも遅いし、書類の文章を書くのも遅い。こうした傾向にある人は、丁寧で相手に失礼がないように気を遣うことができるケースが多く、それ自体は悪いことではない。

 しかし、親や友人への手紙ならともかく、ビジネス文書は心を込めてゆっくり書いてはいけない。必要な事項を、ムダなく、的確に伝えるのが仕事の本懐だからだ。

 では、どうすべきか。手間を省くためには、ビジネス文書のすべてにテンプレート(雛形)を用意することだ。筆者の元上司も語っていた。「仕事の90%は似かよっている。テンプレートを作って効率化すべきだ」と。