転職で勤続年数が分断されることは、経済的に不利

 賃金以外にも転職に不利な要素があります。企業は勤続年数が長くなるほど、加速度的に退職金、年金が増加する仕組みを変更しようとしてきました。

 しかし、社員の将来の受け取りへの期待感に配慮して制度を変更しきれない場合があります。また、人材の引きとめ施策として、勤続年数が反映する要素をあえて残す場合も多いのです(勤続期間が3年以上にならないと退職金は支給しない、という設計になっている企業は珍しくありません)。

 退職金、企業年金の他にも、有給休暇、早期退職の優遇、株式などのインセンティンブシステムなどで、勤続年数の要素が反映している人事制度は多くあります。

青い鳥を追い求める転職ドリーマーの共通点

 このように、転職には不利な要素があるわけですが、それだけでなく、転職市場のプロたち(人材紹介会社のキャリアコンサルタント)によれば、若い人の間にある共通の失敗パターンが存在しているのです。

 では、青い鳥を追い求める人の共通点は何なのでしょうか。「なんとなく」転職活動する人には、簡単に言えば軸がないのです。軸とは、言い換えるなら「やりたいこと」と「できること」です。軸がなければ、会社の選択基準はやりたいことが明確にあるわけではないので、必然的に「なんとなく」になってしまいます。

 会社のブランドかもしれない、勤務地かもしれない、誰かが推薦したからもしれない、希望の会社と似たような業界かもしれない、理由自体はさまざまです。ただ、確たる理由があるわけではなく、その会社でなくとも特に問題はないのです。

 働いていて、今の会社にまったく不満がない人は、おそらく存在しないでしょう。何らかの会社への不満と、「なんとなく」青い鳥を探したい気持ちと、転職神話を信じてキャリアの切り札は転職であると思い込んでしまうこと――この3つが結びついてしまうと、転職するか、会社に残るか、真剣に悩まないままに、転職へと舵を切ってしまうことになります。