要は、それまでやってきた仕事がなくなったら、その会社で一番金が稼げる仕事に社員を配置転換すると会社は発表するのだ。ところが現場の社員を、営業やITエンジニアのような「創造的な仕事」に配置転換しても、実際は戦力にはならない。結果、多くの社員が新しい仕事に定着できずに辞めていく。

 その観点からすると、一番正直に長期計画を発表しているのがみずほFGだ。みずほだけは業務量の削減の結果を配転ではなく従業員の削減で対応すると明言している。最終的にそうなることが自明だからだ。そして論理的には、三井住友と三菱UFJも、まだ計画では語られていない5年目以降、8年目以降については、みずほと同じ決断をそのときのトップがせざるを得ないことになるだろう。

 結局のところ学生にとっては、たとえ今年の就活に勝ち残って入行しても、その先に待っているのは大規模なリストラということになる。目端の利く学生にはその理由もわかっている。

 一番の理由は、フィンテックに大規模な投資が集中しているからだ。銀行員の競争相手は今や人工知能であり、しかもその人工知能の方が銀行員よりも競争力は強い。

 そのため、必然的に銀行は人気業種首位から陥落し、代わりにフィンテックを生み出す側の情報・インターネットサービスが、人気業種首位に躍り出るという図式が生まれたわけだ。

「みん就」で昨年1位だった
あの企業が一気に転落した理由

 そしてもう1つ、別の側面からも銀行には学生から嫌われる要素がある。その事実を説明するために、別の就活サイトを紹介しよう。楽天が運営する「みん就」(みんなの就職活動日記)、つまり就活学生の口コミサイトにおける人気ランキングである。

 まず銀行を確認してみると、口コミサイトでもやはり今年の銀行の順位は落ちている。三菱東京UFJ銀行は昨年の6位から9位にランクダウン。みずほフィナンシャルグループは同じく9位から16位にランクダウン。そして三井住友銀行は10位から21位にランクダウンという状況だ。