ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
美人のもと

動かすチカラ

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第126回】 2012年2月20日
著者・コラム紹介バックナンバー

 少し昔のマンガやドラマで出世している女性や女性経営者は美しく描かれていなかったように思う。いい服を着ているがバランスが悪かったり、仕事に細かいが部屋が汚かったり、普段は潔癖なのに酒癖が悪かったり。美人であることが少ない。そして乱暴に振舞っている場面が多い。

 設定として「仕事はできるんだけどね」という役回り。部数や視聴率を意識すれば、突っ込みどころを置いておくほうが共感を取りやすいからであろう。誰かと他人の文句などを一緒に言っていると人は喜びを感じ、仲間意識が高まるものだ。

 実社会を見回すと、そんな人はあまりいない。経営やマネジメントをしっかりやっている女性は美しいことが多い。輝いていて、突っ込みどころも少ない。もちろん完璧ではないかもしれないが、皆の憧れになっている。

 見ていて美しいなと思えるのは叱っている現場である。叱る場面というのは、状況的には悪い時である。そういう時に冷静で、その原因を把握することに注力する。言いたい文句もたくさんあるだろうが、まず傾聴することに集中する。話を誰でも理解できるように進める誘導は忘れない。そのうえで短く的確に叱る。叱られた方も納得している。

 美しいお母さんもそうだ。言うことを聞かなかったり、暴れたりしている子供に対して、しっかり見て、短い時間で叱る。子供の動きが変わった瞬間に心から嬉しそうな顔をする。子供を応援している感じだ。

 人を動かす力は「美人のもと」をつくっていくはずだ。

 ずっと大きな声で怒っている人がいる。注意しているようで、自分の怒りを伝えているだけ。しかも大声で文句を言いながら自分で怒りを大きくしている。こうなると叱られている方は、叱られているというより、怒られているだけでその場から逃げることだけを考える。伝わらない。泣いている子供に怒鳴っているだけのお母さんと同じだ。

 そんな瞬間の表情は美しいわけがなく、その時間が多ければそれは定着していくものだと思う。

 対話の作法はまずどんな相手であれ、相手を尊重し、傾聴してみることだ。それを意識しているだけで、自分の表情は「美人のもと」をつくっていく。


この記事に関連した読者調査の投票結果を見る
(投票期間は終了しています。)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

「美人のもと」

⇒バックナンバー一覧