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元「広告批評」編集長・河尻亨一の「月刊マーケティング時評」
【第3回】 2012年2月21日
著者・コラム紹介
河尻亨一 [元「広告批評」編集長/銀河ライター主宰/東北芸工大客員教授]

ソーシャルが生み出す、これからのビジネス、
マーケティング、クリエイション

対談●ITジャーナリスト・イケダハヤト×河尻亨一

時代が変われば社会が変わる。人々のライフスタイルやマインド(価値観)、コミュニケーションのスタイルが変わっていく。それにともない、ビジネスもマーケティングも変わるのだ。これは不可避の事実である。ゆえにその変化に対応できない人や組織は、時代から取り残されていくことにもなりかねない。

しかし、現代においてはその変化があまりにも急速なためか、あちらこちらから戸惑いやためらいの声が聞こえてくる。新しい「マーケティングとクリエイション」のヒントはどこにあるのだろう? 本連載ではヒト・コト・モノの三つのアングルから、鍵のありかを探ろうとしている。3回目となる今回は、時代の先端を行くITジャーナリスト・イケダハヤト氏にインタビューしてみた。

 イケダさんは1986年生まれの25歳。企業でソーシャルメディア・マーケティング業務などを経験したのちフリーエージェントに。現在はソーシャルメディア運用のアドバイザーのかたわら、取材執筆、NPOや起業家のサポート活動などを行っている。

 つまり、ブログやTwitter、Facebook等を使いこなす、イマドキのイケてるクリエイターの一人なのだが、彼は「ソーシャルメディア」をどのように活用し、どういったところにその魅力や可能性を見いだしているのだろう? 

 今注目を集める「ソーシャル・マーケティング」の要チェック事例やビジネス運用例、海外の動向、今後の予想などについて質問してみた。 

ソーシャルメディアを使った
非営利活動のサポートに関心

河尻 「ソーシャル・マーケティング」という言葉がよく使われるようになりましたが、イケダさんはこれをどういったものとして捉えていますか? タームが一般的になってきただけに曖昧な部分も生じていますから、本題に入る前に簡単に解説していただきたいのですが。 

イケダハヤト
1986年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。トライバルメディアハウスなどをへて2011年フリーランスに。現在はITジャーナリストとしてNPO支援、執筆活動などを行うかたわら、企業のソーシャルメディア運用のアドバイザリーも務める。著書に『フェイスブック 私たちの生き方とビジネスはこう変わる』『ソーシャルコマース 業界キーマン12人が語る、ソーシャルメディア時代のショッピングと企業戦略』(共著)など。photo gingalighter

イケダ そうですね、まず「ソーシャル・マーケティング」と「ソーシャルメディア・マーケティング」は本来別物として考える必要があるでしょう。

 前者はもともとフィリップ・コトラーが提唱した概念で、社会的課題の解決にマーケティングの手法を用いることです。たとえばアフリカのマラリア予防のためには蚊帳が効果的なのですが、地元の住民に思うように普及しないという問題が生じたとしましょう。そのときに現地のニーズを調査して数値化したり、ライフスタイルに合わせた商品を提案したり、プロモーションを行ったりする。こういった非営利のマーケティング活動が「ソーシャル・マーケティング」です。

 一方で「ソーシャルメディア・マーケティング」は、文字どおりSNSなどのウェブサービスを用いたマーケティング活動で、TwitterやFacebook等を活用してプロモーションをしたり、顧客とのつながりを強めたりすることを指します。

 しかし、今はこちらも「ソーシャル・マーケティング」と呼ぶケースが見受けられ、それも混乱の一因になっているのかもしれません。ただ、僕自身はソーシャルメディアを使って非営利の活動をサポートすることに一番関心があります。

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河尻亨一 [元「広告批評」編集長/銀河ライター主宰/東北芸工大客員教授]

1974年、大阪市生まれ。99年、早稲田大学政治経済学部卒業。お茶の水美術学院講師を経て、2000年より雑誌「広告批評」(マドラ出版)に在籍。08年、編集長就任。10年、同社退職後、雑誌・書籍・ウェブサイトの編集、企業の戦略立案およびPRコンテンツやイベントの企画・制作を手掛けるほか、講演活動なども行っている。


元「広告批評」編集長・河尻亨一の「月刊マーケティング時評」

元「広告批評」編集長・河尻亨一氏が、ヒット商品、イケてる人や企業、話題の現象……などなど、「ヒト・モノ・コト」にまつわる旬のテーマをマーケティングの視点から読み解く時代批評です。

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