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グローバルの共通言語は
英語よりファイナンスが重要
【シリーズ対談】日本企業が世界で戦うために

2018年3月20日
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事業の軸と地域の軸の関係

日置:どこまでグローバルにマネジメントするのかも、日本企業にとっては悩みどころです。

 事業特性にもよりますが、世のグローバル企業のスタンダードは、グローバルに製品やサービスなど事業で一本の軸を通した形です。前回ご登場いただいた橋本勝則さんのデュポンは事業部制の老舗ですし、IBMやP&Gなどでも1990年代から2000年初頭にかけてそれがはっきりとしました。

 最近では、元来地域性を許容していた欧州企業の中でも、グローバル展開しているところはやはり事業で軸を通しています。その上で、ローカルの市場や顧客にどう対応するかを考える。そして、それを横のコーポレートがサポートする。

 日本企業の場合、単一事業の会社は別として、そこまで1つの事業がグローバルに通っているわけではなく、また、地域統括会社などの議論でもよく見られるのですが、地域特性を残したいという考えが強いのか、そうせざるを得ない事情があるのか、その単位でもマネジメントしようとし、並列というか、複線というのか「逆に複雑なのでは?」と思うようなケースが少なくありません。

 スリーエムのように要素としてのコア技術が一元的に管理されていて、用途としての事業を多角化しているのであればよいのですが、そのような全社的な共有が弱い中で、各事業部門がさまざまに事業を推進し、その上で海外では地域という括りからも、となると、さまざまなねじれが生じてどっちつかずになります。うまくマネジメントできませんし、リソースも分散するので事業自体が強くならないのではないか。

 結果として、コーポレートの在り方もこれに引っ張られますので、地域ごとのやり方を許容しがちになり、「グローバルで横」にはなりにくい。もちろん、すべての企業がそうある必要はないのですが、海外企業のM&Aも増える中で、グローバルマネジメントを実現している企業を買ったときに、どう統合するつもりなのかなど、気になることが多いです。

 問題提起が長くなってしまいました、スリーエムでは事業と地域のバランスをどう取っているのですか。

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