協力/ワインオーストラリア

最近話題のオーストラリアワインを口にすると、以前とはイメージが大きく異なる。その進化のほどをこの目で確かるため、12年ぶりにオーストラリアへと飛んだ。ビクトリア州モーニングトン・ペニンシュラは、三方を海で囲まれた冷涼なワイン産地。ピノ・ノワールのポテンシャルにあらためて感心するとともに、シャルドネのスタイルの変化に驚いた。

朝日が差し込むバロッサ・ヴァレー。収穫を終えたブドウの樹が紅や黄に染まる

 機長の体調不良により7時間遅れでシドニーに到着。翌朝、国内線でオーストラリア第二の都市、ビクトリア州のメルボルンに飛ぶ。まず目指すワイン産地はメルボルンの南にあるモーニングトン・ペニンシュラだ。

 ペニンシュラとあるように縦30キロ、幅15キロの半島で、西にポート・フィリップ湾、東にウェスタン・ポート湾、南にバス海峡と三方を海に囲まれている。紀元前1万年頃、最終氷期の終わりに今日のポート・フィリップ湾に海水が浸入して生まれた半島である。

バランスよく複雑味も感じられたスコルポのピノ・ノワール。残念ながら日本未輸入

 1886年にブドウの植えられた記録があるものの、この地に初めて商業的なワイナリーが設立されたのは1975年。英国で仕事をしていたナット・ホワイトが、休暇で訪れたフランスのブルゴーニュ地方でシャトー・ド・ポマールのワインに触れ感動。

 帰国後、レッド・ヒルのレモン農園を購入し、試験的にブドウを植えた。ピノ・ノワールに憧れていたことは間違いないが、うまく行く自信がなかったのだろう。ピノ・ノワールのほか、カベルネやムニエなど全部で7品種を植えたという。初ヴィンテージは80年だった。