生存戦略という側面から見ると、すでに昭和型の結婚(夫が働き、妻は専業主婦)は賞味期限が来ているという。新たな結婚の形が予測されている今、婚活の基本になる自分の結婚観も変わらざるを得ない。2008年に『「婚活」時代』(山田昌弘共著)を上梓、「婚活」ブームの火付け役となったジャーナリストの白河桃子氏に、最新の結婚事情と今後の行方を聞いた。

白河桃子(しらかわ・とうこ)氏
少子化ジャーナリスト・作家・相模女子大学客員教授 東京生まれ。慶應義塾大学文学部社会学専攻卒。住友商事、リーマン・ブラザーズなどを経てジャーナリスト、作家に。2008年に山田昌弘・中央大学教授と『「婚活」時代』を上梓、婚活ブームの火付け役となった。女性のライフキャリア、少子化、働き方改革、女性活躍、ワークライフ・バランス、ダイバーシティーなどがテーマ。著書「御社の働き方改革、ここが間違ってます!」(PHP新書)

 白河桃子氏は、昨年、結婚への“時代の温度”が次のステップに進んだ印象的な出来事があったと語る。それは結婚情報誌「ゼクシィ」の「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というCMである。

「つまり、もはや“結婚は当たり前”ではない時代になったと言えます。私が山田昌弘・中央大学教授と『「婚活」時代』を出版してから10年がたち、今、結婚に対する大きな変化が表れ始めています。未婚の人たちの中に“良い結婚はしたいが、悪い結婚はしたくない”という“選良意識”が明確に芽生えているのです」

 結婚をある種の“生存戦略”と捉え、生存をおびやかすようなリスクのある結婚はしたくない、と考える人が増えているという。その背景には、結婚における“経済学”がある。つまり結婚の経済価値が可視化されたことで、結婚へのハードルが上がっているのだ。