協力/ワインオーストラリア

最近話題のオーストラリアワインを口にすると、以前とはイメージが大きく異なる。その進化のほどをこの目で確かるため、12年ぶりにオーストラリアへと飛んだ。オーストラリアを代表するワイン産地といったらやはりここ、南オーストラリア州・バロッサ。昔ながらのパワフルでマッチョなシラーズも捨て難いものがある。一方でこの土地のレジェンドは、エレガントなワイン造りを目指していた。

山に上からバロッサ・ヴァレーを見下ろす

 バロッサと単純に言い表した場合、低地のバロッサ・ヴァレーと高地のエデン・ヴァレーを合わせた地域を指す。アデレードの北東70キロの距離に位置するこのワイン産地は、イギリスと旧プロイセンのシレジア(現在のポーランド)からの入植者たちによって築かれた。

 シラーズの銘醸地として名高い産地だが、リースリングの栽培面積も小さくないのは、ドイツ系のシレジア人が、自国の誇りであるリースリングを持ち込んだからである。 

ブドウ畑を眺めながら、ワインに思いを馳せる

 1840年代に初めてブドウが植えられてから170年以上、他の産地のように途切れることなく、つねにオーストラリアワイン産業の中心にあったのがここバロッサ。ブドウ農家としてすでに6世代続く家系もあれば、樹齢150年におよぶシラーズやグルナッシュの樹が今も残っている。

 合計1万3600ヘクタールという栽培面積は、オーストラリアにおける上質ワイン産地の中ではずば抜けて広い。