元Google日本法人社長 辻野晃一郎氏が 新型「日産リーフ」に乗って感じた 新しい時代へのシームレスな移行

元Google日本法人社長 辻野晃一郎氏が
新型「日産リーフ」に乗って感じた
新しい時代へのシームレスな移行

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19世紀末に登場して以来、最大の変革期を迎えていると言われる自動車。これまで培ってきた自動車技術の本流が入れ替わるかもしれない、大きな変革の中核にあるのが電動化であり、自動運転である。そんな時代のまっただ中に初のフルモデルチェンジを果たしたのが日産自動車の電気自動車(EV)、新型「日産リーフ」だ。

 高速道路上での同一車線自動運転技術など、最新テクノロジーを満載。フル充電しての航続距離もJC08モードで250kmから400kmに伸ばし、従来のEVを大きく超える使い勝手の良さ持つ。そんな新型日産リーフの登場をIT業界はどう見ているのか。長年ソニーに勤務しVAIOなどの事業責任者を務めた後、グーグル日本法人代表取締役社長を歴任し、現在もITをベースとした事業に携わる辻野晃一郎氏に話をうかがった。

 20世紀の自動車は、化石燃料で走って、自ら運転するのが当たり前だった。しかし、今や電動化と自動運転が進むことで、その両方が当てはまらない時代が訪れようとしている。EVは排気ガスを出さないクリーンな自動車として世界的にも大きな流れを創り出している。アメリカで誕生したITベンチャーが高級EVで名を馳せる一方で、中国は国策として普及を推進し、今や世界最大のEV大国にまで成長した。EVへの流れはもはや誰にも止められない大きなうねりとなっている。

テクノロジードリブンの変革の流れの中で
自動車という工業製品の定義が変わりつつある

辻野 晃一郎氏福岡県生まれ。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。VAIO、デジタル TV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。

 EVが受け入れられる背景として、「ゼロエミッションであることがすごく大事。人類共通の環境問題に対して、企業が真剣にソリューションを提示し、それをビジネスとするのが大事な時代に入った」と辻野氏は話す。「そもそも世の中がテクノロジードリブンの大きな変革期にある。社会を本気で変革しようというプレイヤーが、従来の産業の枠組みを超えて参入し、工業製品の定義そのものを変えつつある」のだという。

 こうした流れを牽引するのが、グーグルなどのIT企業群である。

 「自動車の中に様々なITが入ってきている。中でもこれからのクルマにとって重要になっていくのは人工知能であって、それを得意とするIT企業との協業は避けられない。主導権を握るのはIT企業となっていくのかもしれない。それは家電産業を見れば予想しうることだ」(辻野氏)

 伝統ある自動車メーカーにはこれまで培ってきたノウハウがあり、新興のIT企業とはモノ作りに対する考え方が違うという意見もあるが、辻野氏はこうした考え方に懐疑的だ。「家電もアナログの時代は日本勢のモノ作りが圧倒的に強かった。アナログからデジタルに移る時に同じような議論もあった。強みである職人芸の部分はそう簡単に真似することはできないともされた。しかし、結果としてデジタル家電は新興メーカーに席巻されてしまった。自動車は人の命がかかっているので家電より複雑だと思うが、同じ流れが来ていることは認識すべきだ」

 その一方で、辻野氏は日本の自動車メーカーが持つ優位性についても述べた。「日本の自動車メーカーには技術的にも簡単にはマネ出来ない蓄積があり、ガソリン車時代の資産であってもEVの時代に通用する、あるいは踏襲していくべきものも多々あるはず。それらを大事にしつつ、生まれ変わるぐらい本気で意識変革を行うことで、この危機は乗り越えられるだろう。だからこそ、ITやAIなどの分野での協業が重要になっていく」と辻野氏は力説する。

 日本の自動車メーカーは早い段階から、IT関連の開発や協業についての研究に勤しんでいる。日産は昨年、米国ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー向け家電見本市)において、遠隔操作による自動運転の実証実験についてNASAと共同で行うと発表したが、これも異業種との協業の結果と言っていいだろう。

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