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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【J.S.バッハ「フランス組曲」】
若き再婚相手のために作曲
家族の大切さも教えてくれる素敵な鏡

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第22回】 2012年3月1日
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 外に出れば7人の敵がいる、と言います。

 要するに、人間社会には弱肉強食・適者生存という厳しい現実もあるので、家を一歩でも出れば気を引き締めるべし、ということでしょう。が、別の見方をすれば、家庭こそが唯一、素の自分でいられる場所ということです。最良の理解者がいて、無防備でいられる場所です。

 城山三郎の初期の名作に『小説日本銀行』というのがあります。主要なテーマは、生きていく上で、仕事と家族が車の両輪だ、ということです。金融の世界を題材に、スパイスの効いた物語の中で家族の意味も問うています。

 考えてみれば、政治家の秘書にせよ、同族会社の役員にせよ、売れっ子作家の事務所にせよ、家族が鍵となる役割を果たしています。競争が厳しい現場では、家族こそが心底信頼できる存在だ、ということでしょう。

 家族の核となるのは、夫婦です。そして、夫婦の数だけ、愛の形があり夫婦の物語がある訳です。もち論、音楽家とて同じです。

 で、今週の音盤はJ.S.バッハの「フランス組曲」です。

 何故かと言えば、バッハは家族思いの仕事人間だったのです。音楽家には本能のままに恋し、芸術の肥やしにした人も多いのですが、バッハは敬虔なクリスチャンでもあったし、家族を大切にした人でした。フランス組曲は、バッハが16歳も年下の幼い妻のために書いたもので、妻への愛情を垣間見ることが出来るのです。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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