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イケテルカノジョ養成講座

きみは、誰を待っているの――?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第5回】 2012年3月2日
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誰の役にも立たぬということは、はっきり言って何の価値もないということである――、デカルトの『方法序説』にある、とてもシビアな一言。
 
 

 先週木曜日の夜、友人と会った。

 駅の構内にあるコーヒーショップで待ち合わせたのだが、あいにくと店内は仕事帰りのビジネスマンでいっぱい。やむなく店の前で友人を待っていたところ、私の横にブレザー姿の高校生が立った。彼も待ち合わせらしい。

 ちら、ちらと周囲を見て、相手がまだ来ないとわかると、おもむろに携帯電話を取り出していじり始めた。

 ズボンを腰骨の辺りまでずり下ろした着こなしは、私のような年代からすれば“抜け作”にしか見えないのだが、いまの若い子たちにはそれがかっちょいいのだろう。いわゆる、いまどきの子だ。

 彼はときおり顔をあげて、何故か私のほうを見る。

 男に見つめられたって嬉しくも何ともないのだが、彼は、何か言いたげな目をしていた。おそらくは、なぁおっさん、人のケータイをじろじろ見るなよ。とでも言いたかったのだろう。だって面白そうだったんだもの、そのゲーム。覗いてたのか、とツッコまないよーに。

 それなりに混んでいる電車に乗っているときも、車内でメールを打っている人にかなりの頻度で出くわす。それが私の位置から丸見えだったりすると、時間潰しに文章を全部読ませてもらう。特に、私に背を向けたかたちで立っている人などは肩越しに。

 たいがいの人は、見られていることに気づかないね。

 絵文字顔文字てんこ盛りで、わーい、ありがとー。もうすぐ着くから待っててね。いま××過ぎたとこ。なんて文言を見ると、こいつ、こんな顔してるくせにカノジョにはこんなメール送ってるのか――、と思ったりしますが、人に読まれるのが恥ずかしければ、人前でメールなんか打たなければいいだけのこと。

 というか、背後に人が立っていて、ともすればメールの内容を見られるかもしれないのに、それに気づいていないとすれば無防備このうえなく、その人は“隙だらけ”ということです。

 言うなれば、マル秘もしくは社外秘と判を押した書類を堂々と車内で広げているようなもの。以前、本当にそういう人を見かけたことがあって、私なんかわざわざ隣りに座って覗き込んだことがあるもの。むふふ。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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