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吉田恒のデータが語る為替の法則

米ドル/円の大相場は3月も続くのか?
カギは米国金利の大幅上昇があるかどうか

吉田 恒
【第195回】 2012年3月5日
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2月に大きく動いた米ドル/円。
大相場は3月も続くのか?

 2012年2月の米ドル/円相場は、5円を大きく超える値幅となりました。まるで、異常なまでの小動きが延々と続いてきたことの鬱憤を晴らすような動きとなったわけです。

 ところで、過去の実績からすると、3月は「1年でもっとも米ドル/円が動く月」だけに、この鬱憤晴らしのような大相場が3月も続くかどうか、その可能性は注目されるところかもしれません。

米ドル/円が1年で
もっとも大きく動くのは3月だ

 「資料1」のように、3月の米ドル/円の平均値幅は、2000年以降で6.4円。これは、12月の同5.4円を大幅に上回り、年間12カ月の中では断トツです。

資料1

 また、3月の米ドル/円は、2008年以降2011年まで、4年連続でその値幅が5円を超えていました。

 まさに、米ドル/円の相場としては「1年でもっとも動く3月」だったわけです。

 米ドル/円は、2011年夏以降、介入大相場以外では、1カ月の値幅がたったの2円前後といった異常なまでの小動きが延々と続いてきましたが、2月は値幅が5円を大きく超える急拡大となりました。

 では、この「脱・小動き」はこの2月だけで終わるのでしょうか?

 この間の異常な小動きの中で蓄積されたエネルギーの発散を受けた大相場が、まだ続く可能性はないでしょうか?

 それでなくとも、3月は「米ドル/円が1年でもっとも動く月」だけに、大相場がまだ続く可能性にも注目されるところでしょう。

決算対策の円買いは
為替水準によって変わってくる

 ところで、「3月は日本企業の期末にあたるので、決算対策での円買いが増えて円高になりますか?」といった質問をたまに受けますが、「資料1」のように、過去の米ドル騰落状況は9勝8敗ですから、特に米ドル安・円高になりやすいといった傾向はありません。

 それから比べると、2月の方が米ドルの騰落状況が7勝11敗と、よほど米ドル安になりやすかったようです。

 決算対策の円買いといっても、こうした歴史的な円高・米ドル安水準で、利益が出る円買いがどれだけあるでしょうか。

 私は、決算対策の円買いを、利益が出るかどうかを前提に考えるなら、円安・米ドル高ならそのような円買いも増えるし、円高・米ドル安なら円買いは限られると思います。つまり、決算対策の円買いは為替水準によって変わってくるものだと思うのです。

3月の米ドル/円の方向性を
決めるカギは米国金利

 では、3月の米ドル/円の方向性を決めるカギは何かといえば、それは、引き続き米国金利だと思っています。

 その米国金利の行方を考える上で重要な役割を演じることの少なくないFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言が今週(2月27日~)あったので、次はその影響について考えてみたいと思います。

 2月29日(水)に行われた議会証言で、バーナンキFRB議長がQE3(量的緩和第3弾)への言及を後退させたことから株価は先行き不安により反落したとの解説が少なくなかったようです。

 それだけ、最近にかけての株高は金融緩和に支えられた「金融相場」という理解なのでしょうが、それは本当でしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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