特に深刻だった中途採用

「これまでは、新卒を中心に会社説明会を何度も開き、大学を回って直接学生に会い、口説いて、採用してきた」(同)という。

フォルシア
外山正和
業務本部人事部長

 採用を担当する同社人事部長の外山正和氏によると、「毎年400~500人の学生に接触し、選考に乗ってもらうのが100人くらい。最終的に採用するのは10名程度」だという。幸い、ここ数年は、「社員たちが宣伝してくれている」(屋代氏)こともあり、同じ学校の後輩からの応募が増えているという。

 だが、新卒採用はある程度軌道に乗ったものの、「中途採用は求人を出しても応募が少なく、ひたすら待つことが続いていた」と外山氏は話す。

「とにかく、求職者との出会いの機会がないんです。出会えることができれば、興味を持ってもらえる自信はある。でも、求職者は知名度の高い会社に流れがちなうえ、そもそも当社のことを知らない人がほとんどです。だから、出会えない。それが課題でした」(外山氏)

 ちなみに、フォルシアの初期メンバーは、「全員が当社の顧客だった人」(屋代氏)だとか。一緒に働くうちに仕事と環境に魅力を感じ、「ここで働きたい」と転職した人ばかりだという。外山氏が「自信はある」というゆえんだ。

面接希望者が急増した理由

「待っている間は、何もできない。それがもどかしかった」と話す外山氏は、それまでも採用面での支援を受けていたリクルートキャリアの営業担当者から紹介され、無料スカウトツール「リクナビHRTech転職スカウト」を利用することにした。1年ほど前のことだ。

 これはいわゆる「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれる採用手法が可能になるスカウトツールで、かつ利用料は無料、入社時にフィーが発生する完全成果報酬型のサービスだ。同社が提供する、人材紹介サービスのリクルートエージェントに採用支援依頼をしている企業であればすぐに利用することができる。