佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第18回】 2012年3月7日 橋本裕之

ほうとう、鳥もつ煮――内陸県ならではの食材を生かした素朴で旨み豊かな味わい!

 海に面していない、いわゆる「内陸県」は、埼玉県、群馬県、栃木県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県がある。これまで、このコーナーで紹介した郷土料理なども、海の幸を上手く活かした日本ならではの料理が多かったが、逆に「内陸県」には内陸県ならではの郷土料理がたくさん存在する。

 今日はその中でも、郷土料理が豊富な山梨県の料理を食べたいと思う。幾度か足を運んで、「ほうとう」などを食べた記憶があるが、それもかなり前だ。

 調べてみると、東京大学などがある本郷三丁目に、山梨の料理を提供する店があるという。その名も『甲斐の里』だ。串揚げがメインのお店だが、いろいろな山梨の郷土料理を食べさせてくれるということだ。

 店長は山梨出身の井出さん。地元そのままの味ではなく、それをうまく活かしながら、東京でも美味しく食べられるようにアレンジしているとのこと。

馬肉ならではの赤身の旨さが
存分に堪能できる甲州馬刺し

甲州馬の馬刺しは、馬肉ならではの肉の赤身の旨みが堪能できる逸品。

 駅から歩いて、程なく店に到着したので、まずはビールと『甲州馬刺し』を頼んだ。

 馬刺しは熊本が有名だが、もちろん山梨でも多く食べられている郷土食である。こちらの刺身には脂がほとんど見られず、かなりの赤身である。

 一口食べてみると、まさしく、見た目と同じく、甘く柔らかな赤身のならではの旨さを堪能できる。そして、噛めば噛むほどに旨みが増す。にんにくと、しょうがが薬味として添えられてはいるが、薬味なしでしょう油だけでもじゅうぶんに旨い!

 そして、その旨みを口に残しながら、ビールをゴクリ!

「いやぁ、馬肉にビールは旨いね、ビールの苦味がなんともいい感じだぁ」

 あっという間に、ジョッキに注がれたビールがなくなった。なんというか上々のスタートである(笑)。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

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