誰もが、人前では堂々と話をしたいと思っているはずだ。だが実際には、自分の理想とはほど遠いケースがほとんどでもある。それは恐怖心に支配されているからだと、筆者は言う。恐怖心を完全に取り除くことはできないが、やわらげることはできる。本記事では、そのための5つのアドバイスを示す。


 恐れを知らないパブリック・スピーキングの達人になりたいと、誰もが思っている。堂々と舞台に登場し、スピーチやプレゼンテーションを行うのである。完璧なジョークで会場のムードをやわらげ、説得力あふれる話で聴衆の心をつかみ、難しい質問をやすやすとさばいて、歓声と喝采を背に退場する……。

 しかし、現実は完璧からはほど遠い。恐怖に支配され、よくない想像ばかりが浮かぶ。階段につまずく、セリフを忘れる、頭が真っ白になる、あるいは、観客にそっぽを向かれる……。こうした恐怖は、何か悪いことが起こる前兆であり、自分はそもそも、ステージに立つような器ではないことを示唆していると考える人もいるだろう。

 人前で話す際、どうしても恐怖心にジャマされるという人には朗報だ。優れたパブリック・スピーカーになるために、恐怖は克服しなくてもかまわない。恐怖が完全に消えることは、けっしてない。目指すべきは、恐怖の軽減である。

 筆者2人はどちらも、恐怖を減らすにはどうすればよいかについて、多少の経験がある。

 マンディは現在、ブロードウェイのミュージカル『ハミルトン』で重要な役柄を演じているし、評判の高い一人芝居もやっており、全米で放映中の『マダム・セクレタリー』にもレギュラー出演している。マークはビジネス講演家・アドバイザーとして、年間で何千人ものエグゼクティブを前にプレゼンテーションを実施し、経営チームの重要なオフサイト・ミーティングで司会を務める。

 登壇して生の聴衆を前にした経験は数多くあるが、2人とも恐怖を克服したとは思っていない。それでも、恐怖を完璧なパフォーマンスの妨げにしないための方法なら、少しはアドバイスできる。

 まずは、恐怖をやわらげるためのアドバイスが2つある。