ローソンの「ブランパン」村田文子・ローソン商品本部ドライ商品部マーチャンダイザー(左)、柴崎 誠・ローソン商品本部デイリー商品部チーフマーチャンダイザー Photo by Satoru Okada

「糖質オフ」をうたう食品は今や当たり前となり、「糖質制限ダイエット」に挑んだことがある読者も多いだろう。これらが一般的になる前に商品化され、むしろブームをつくってきたのが、ローソンの「ブランパン」である。

 ブランパンとは、文字通りブランで作ったパン。ブランとは、主に小麦の外皮のことだ。小麦粉として使われる小麦の粒の内部の「胚乳」と比べて食物繊維が多く、糖質が少ない。

 大手製パン会社勤務、コーヒーストアチェーンでのパン類の開発担当を経て、2012年2月にローソンに入社した村田文子は商品部門に配属され、やはりパンを担当することとなった。

 もちろんパンはコンビニエンスストアの人気商品だが、パンを買わない客に聞き取り調査をしたところ、嫌いだとの理由が少ない半面「糖質の高さが気になり、我慢して食べない」との回答があった。

 実は、村田の入社前、ローソンにはブランを使った低糖質のパンを製造している製粉会社の鳥越製粉から、共同開発の打診が来ていた。村田の父親は毎日朝食に食べるほどパンが好物だったが、糖尿病で食べられなくなった。そんな姿を目の当たりにしていただけに、鳥越製粉からの打診を知って、意欲が湧いた。