協力/ワインオーストラリア

最近、話題のオーストラリアワインを口にすると、以前とはイメージが大きく異なる。その進化のほどをこの目で確かるため、12年ぶりにオーストラリアへと飛んだ。南オーストラリア州のマクラーレン・ヴェイルは、オーストラリアにおけるブドウ栽培とワイン造りの揺り籠。北のバロッサ・ヴァレーと比較され、どうにもキャラクターのぼやけた産地だったが、グルナッシュとオルタナティヴ品種で勝負に出た。

セント・ヴィンセント湾

 歴史的にも規模的にもバロッサ・ヴァレーと肩を並べながら、どうにも印象の薄さの否めない産地がマクラーレン・ヴェイルである。

 アデレードの南35キロの位置にあり、西はセント・ヴィンセント湾、東はマウント・ロフティ山脈に挟まれた風光明媚な場所。典型的な地中海性気候でブドウの栽培には最適な土地だ。夏場はかなり気温が上がるが、それもセント・ヴィンセント湾から吹き込む涼しい風のおかげで和らげられるという。

 しかしながら、主流のブドウ品種がシラーズなので、どうしてもバロッサ・ヴァレーと比較されがち。しかもこのところ、南オーストラリア州ならアデレード・ヒルズのような、キャラの立った冷涼気候のシラーズが登場してきたものだから、ますます分が悪い。 

マクラーレン・ヴェイルのワインメーカーたち

そのようなことはマクラーレン・ヴェイルの人々も先刻ご承知で、産地を象徴するブドウ品種としてグルナッシュを前面に押し出す戦略に出た。

 ブドウの栽培は1838年からと、わずか数年とはいえ古さではバロッサ・ヴァレーに負けないこの産地。古木のグルナッシュもまだ残されているし、マクラーレン・ヴェイルには砂質の土壌も多い。地中海性気候の砂質土壌で栽培されるグルナッシュといったら、シャトーヌフ・デュ・パプの銘醸ワイン、シャトー・ラヤスではないか!