経営×経理

経理職は経営活動が
ライブで垣間見られる

 Aさんのように他部署から経理部へ異動になり、落胆してしまうケースは少なくありません。その背景には、経理部に対する偏見が影響していると考えられます。筆者はこれまで、多数のビジネスパーソンと接してきましたが、「日々、決まりきった仕事でつまらなかった」と経理部から早々に異動願いを提出した人や、経理部のマネージャーですら、「細かな作業の繰り返しだから上昇志向のある人は向かない」と独自の考えを示すケースを多く見聞きしました。

 もちろん、捉え方や価値観は人それぞれでしょうが、筆者が本連載の中でお伝えしているように、経理部は会社内のデータ類を通じて、社員らの経営活動、成果に触れることができる部署であり、初心者レベルでも自ら創意工夫することで、付加価値の高い仕事が遂行できる上、自身の成長にも繋がります。

 Aさんの異動理由の真実は不明ですが、人事部側が「将来に向けて、経営管理を経験してほしい」と伝えたことは額面どおりに捉えて構わないはずです。周囲がどのような偏見を持とうと、経理部に配属されたAさんが、データや伝票類等を通して、ライブで経営活動を垣間見られるのは自明の事実であり、Aさんの意識の向け方次第でデータ分析力や部署に対する提言力など、様々なスキルが身につく場が待っているのです。このように考えると経理部の中で、その人なりの出世コースが見えてくるものです。

 人それぞれの「出世」についてもう少しご説明します。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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