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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

アジアの大国インドと中国
示唆に富む2冊の書物を読む

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第96回】 2012年3月15日
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 まず、私が関心をもった2つの調査報告を紹介しよう。

 JETROの調査報告書「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査・中国、香港、台湾、韓国編(平成22年8月~9月、対象1105社)」によれば、調査を受けた企業の68.6%が、平成22(2010)年度の営業利益は「黒字」と回答している。それよりもっと新しい調査では、中国に進出した日系企業の62.1%が2011年度の営業利益見込みを「黒字」と見ている、という。つまり、海外進出の日系企業の大半が黒字を確保しているのだ。

 もう一つの調査報告は、産経新聞社が発表したアンケート調査だ。主要企業116社を対象に行ったものだが、「成長が著しいアジアを有望市場ととらえ、新興国に吸い寄せられている企業は多い」と、同報告はまとめている。それによると、平成24(2012)年度の海外事業計画で「拡大する」と回答した企業の割合は、7割近くにのぼるという。企業の海外シフト重視が否応なく印象付けられた。

インドと中国を比較した好著

 そんなかで、私は一冊の本に関心をもった。『インドvs.中国』(浦田秀次郎、小島眞、日本経済研究センター編著、日本経済新聞出版社)だ。世界経済をけん引し、今世紀の最大の市場にもなる可能性を持つこの2つの新興国の実力比較を狙う同書は、インドと中国の持つこれからのビジネスチャンス、克服すべき課題、日本の採るべき戦略、そしてそれぞれの強みと弱みを「一目瞭然」にしようとした。

 中には、結構面白いものがある。例えば、「インドが中国に学ぶべき点は何か」という章では、「内外無差別」のインドと「外資逆差別」の中国が接近する新しい動きを紹介している。中国を「インフラ大国」と捉えるところも、その中国を追っかけるインドを描いているのも面白い。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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