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イノベーションの発想は
過去の成功体験を捨てることから

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第79回】 2018年4月13日
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第4次産業革命が進行する現在、これまでの延長線上の戦略だけでは、成長ばかりか生き残りも困難な時代となっている。企業は、イノベーションを創出していくことが期待されるが、そのためには未来志向の課題設定と大胆な発想の転換が求められる。今回は、外部環境の変化を起点としたアイデア発想法として、新C-NES分析を紹介する。

自社の強みはいったん忘れる!?

 ITやデジタル技術を活用したビジネスイノベーションや新規ビジネスの創出への取り組みが期待されているが、最新のテクノロジを活用するだけでイノベーションが創出できるわけではない。ITRでは、以前から長年事業を展開している大企業がイノベーションを創出しようとする際の分析フレームワークとして、自社のコンピタンスとの整合性を重視したC-NES分析を推奨してきた(図1)

 この手法は、2014年12月に掲載された本連載32回「ITイノベーションのアイデアを創出する方法」でも紹介した手法である。

 C-NES分析は、「自社のコンピタンス(C)」を起点として、「ニーズ(N)」「外部環境の変化(E)」「シーズ(S)」を組み合わせてアイデアを創出する手法であった。この手法を推し進めてきたのは、大企業においては、ベンチャー企業とは異なり、外部環境の変化や顧客のニーズを組み合わせたアイデアの種が見つかったとしても、それが「自社のコンピタンス」と適合するかという問題が残り、従来の事業との競合や利益相反、転用できる経営資源やノウハウの有無などの問題をクリアしなければ、イノベーションが結実しないことが多いという問題を考慮したためである。

次のページ>> C-NES分析の効用と課題
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内山悟志
[ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。

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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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