落ち込んだセールスマンから商品を買うお客様はいない

 自信はなくても、いいのです。最初から自信があっても、売れなければどうにもなりません。私も売れずに悩んでいた7ヵ月間、自信だけはあったのですが、売れないことにはどうにもなりませんでした。

 売れてから少しずつ自信はついてきます。でも、売れたら売れたで、不安も大きくなっていきます。「また、ゼロになるかもしれない」と心配になったりします。「明日から1台も売れなかったらどうしよう」と思います。

 そう考えると、営業に自信はあってもなくてもいいのかもしれません。

 ただ言えることは、落ち込んだセールスから物を買うお客様はいません。やさしいお客様からお付き合いで買っていただけることはあるかもしれませんが……。

 誰か元気な人から元気を分けてもらってでも、とにかく元気に営業をすることです。自信はなくても元気であることです。

売れないときこそ、原点に戻れ!

 売れないときにすることは、二つあります

 一つは、とにかくたくさんの人に会うことです。そのために、飛び込み営業もあるでしょうし、以前に商談をしたお客様を掘り起こすこともあるでしょう。いままでより多くの人に会うことが、突破口となるのです。

 もう一つは、既存のお客様に会うことです。これは、買ってもらいたいといった期待ではありません。買っていただいた先にうかがって、「いかがですか」と声をかけるだけです。それによって「売れていた自分」を思い出すのです。

 もし会う時間がなければ、過去の注文書の束を眺めてもいいでしょう。要するに、「売れる自分」にもう一度、会うことです。

 最初から最後まで、営業はお客様あってのことなのです。こちらの元気をお客様に提供することもあれば、お客様から元気をいただくこともあるのです。

 セールスが売れるかどうかは、気持ちしだいです。売れないから元気が失われ、余裕がなくなり、ますます売れなくなるのです。ビビッドな自信を持つことで、売れない自分から抜け出せるのです。

 自信を持つことで、元気が出て、余裕が出てくれば、商談は楽しくなって、売れるようになるはずです。

 駆け足で、私の経験をもとに、売れるようになるための考え方、接客のポイントをお話してきました。これまでお読みいただいたみなさんが「売れる営業」になっていただきたいと思います。この連載が多少なりともお役に立つことがあれば幸いです。どうもありがとうございました。

  


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第3回 お客様が出すサインを見落とすな

日本一BMWを売った「伝説のセールスマン」飯尾氏も、同期の中で一人だけ入社から7ヵ月間1台も売れなかった。しかしその苦悩の日々を経験したか らこそ、その後トップセールスを続けられたと振り返る。なぜ同じクルマを売っていて、販売数に差が出るのか?「売れるセールス」になるための方法をあます ところなく伝える。
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