国内外の5000店舗が薄利多売を下支え

 今、ダイソーが扱っている商品は7万アイテムある。そのうち99%が自社開発商品だ。45ヵ国1400社の協力会社とともに、月に700アイテム以上を生み出している。商品企画から製造、輸出入、物流、販売までをすべて自社で行っていることで、売価100円でもお客さまに喜んでもらえる品質を保つことができている。

 たとえばネクタイの販売数は年間200万本である。3秒に1本売れている計算になる。ポリエステルの品質が上がってきてシルクと遜色ないレベルになっているので、100円のネクタイといってもバカにできない。ネクタイ専門店を含め、どんな店よりネクタイを売っているのがダイソーだ。

 この規模が、われわれの大きな強みとなっている。なにしろ、国内外に約5000店あるのだ。メーカーにしてみると、各店で1日5個売れる商品をダイソーに持ち込めば、毎日2万5000個売れる計算になる。年間を通せば900万個だ。となれば、どのメーカーもなんとか工夫して原価を抑えて持ってくる。利益が仮に1円でも、1年間で900万円、2円なら1800万円になるからだ。

 100円均一の商売を始めた当初は、無理をしてでも原価率を高くして良いものを提供しようと努力してきたことで商品が売れるようになった。今は商品1個当たりの利益が数円でも十分にやっていける規模になり、自ずと良い商品を開発できるようになったというわけだ。現在の店舗数になったことで出来上がった、品揃えの仕組みである。

 おしゃれな雑貨専門店で、売価1000円の商品があったとする。粗利が3~4割だとしても、1店舗で1日10個も20個も売れるものではない。ましてや全国に100店舗以上を持つチェーンはそうそうあるものではない。いくら粗利が高くても「数」が出ないことには「額」は稼げない。もちろんメーカーは、そういう店向けの商品開発もするのだが、一方でダイソー向けに売価100円の商品を開発する理由も出てくるわけだ。

 そもそも、100円ショップは値段を気にしないで買える。雑貨店で1000円を超えるような商品を値札も見ないでポンポン買えるお客は滅多にいないけれど、ダイソーでは欲しいものを全部カゴに入れる勢いで買っていく。そこに強みがある一方で、それが弱みでもある。

 気になるものは値段を気にしないで買ってしまうせいで、すぐ飽きられるのだ。そのため、同じ商品についてリピーターが付きにくい。だからこそ、新商品を出し続けなければならないのだ。とはいえそれも考えようで、おかげでいつ行っても新しい商品が増えていて、また買ってしまうというサイクルが生まれる。