4月8日、中東における金取引の中心地であるアラブ首長国連邦(UAE)では、金塊が金融工学における新たな役割を果たしつつある。ドバイのゴールドスーク(黄金市場)で3月撮影(2018年 ロイター/Christopher Pike)

[ドバイ/シドニー 8日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの名所「ゴールドスーク(黄金市場)」では、世界各地から訪れた客がバングルやネックレスの値引き交渉で忙しいが、中東における金取引の中心地であるこの国では、金塊が金融工学における新たな役割を果たしつつある。

 昨年設立された地元の新興企業「ワングラム」は、金を裏付け資産とする仮想通貨を発行。仮想通貨投資がイスラムの教義に違反していないことをムスリムに納得させようという試みの一環だ。

 ビットコインなどの暗号通貨に対する関心は世界的に高まっており、イスラム金融の中心地であるペルシャ湾岸諸国や東南アジアにもその波は及んでいる。だが、仮想通貨は金融工学の産物であり、投機対象となっていることから、イスラムの教義とは折り合いが悪い。

 シャイリーア(イスラム法)の原則では、利息の支払いを禁じていることに加え、現物資産に基づくリアルな経済活動を重視しており、純粋な金銭的投機には難色を示している。

 そのためイスラム法学者のあいだでは、仮想通貨が教義上許容されるかどうかの論争が巻き起こっている。仮想通貨の発行企業は、現物資産に裏付けられ、イスラム法学者の顧問が正当と認めた商品を投入することにより、こうした論争から免れようとしている。