4月10日、中国の主要不動産各社は、賃貸住宅の供給を増やしつつある。写真は中国深センの若者用アパート。2017年4月撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)

[香港 10日 ロイター] - 中国の主要不動産各社は、賃貸住宅の供給を増やしつつある。投機用ではなく居住用の住宅を建設すべきだという習近平国家主席の要求に応じた動きだ。ただ各社は当局のご機嫌を取るために、収益減少という犠牲を払っている。

 最大手クラスの場合でも賃貸住宅から得られる利回りは5─6%にとどまり、中小勢なら赤字に陥るケースさえある、というのが業界関係者や不動産アナリストの見方だ。対照的に住宅販売の利益率は近年では平均20─30%に達する。

 現在は中央政府だけでなく、多くの都市も不動産会社に販売用よりも賃貸用の住宅を建設するよう圧力をかけている。これにより各社はリターン低下のみならず、賃貸に回した住宅をバランスシートに計上し続けなければならないというリスクにもさらされる。

 こうした中で売上高で国内2位の万科企業の郁亮会長は、3月終盤の業績発表時に、賃貸住宅は最初は大きなもうけを生み出すとは想定されないと語った上で、当局が政策面で十分な後押しをしてくれれば長期的には収益が得られる可能性があると付け加えた。

 実際最近では地方政府が、不動産会社に優遇貸出金利を提供したり、社債発行や証券化による新たな資金調達方法を認めるなどの賃貸住宅事業支援措置を講じている。

 もっとも賃貸住宅の需要があることは明白だ。不動産仲介の鏈家の調査部門L+リサーチ・インスティテュートは、2015年に1億6000万人だった賃貸利用者数は25年までに2億3000万人に増加し、賃貸住宅市場の規模は15年の1兆元から25年には2兆9000億元まで拡大すると予想する。