(1) 長期保有――短期の値動きに動揺せず持ち続けて、平均回帰の力を味方につける
(2) 時間分散――定額自動積立によるタイミング分散で、購入価格を平均に近づける
(3) 市場分散――世界中の市場のインデックス投信を持つことで、リスク分散を図る

ここまでやったとしても、世界市場そのものが持っている市場リスクはやはり完全には消えません。とはいえ、それほどリスクを取りたくない人が、このリスクをコントロールする方法はありますし、そんなに難しいことではありません。

結論から申し上げれば、株式“以外”のインデックスに連動した投信も保有すればいいのです。それが債券です。ポートフォリオのなかに債券インデックス投資信託という商品を混ぜておくことで、株式インデックス投信のリスクを薄めることができます。

債券とは平たく言えば、「あなたに○○円をお借りしました。利子××円を添えて、△△までに必ずお返しします」という借金の証書です。国がお金を借りる場合は国債、地方自治体が借りる場合は地方債、企業が借りる場合は社債を発行しますが、これらはすべて債券の一種です。

株式が株式市場で売り買いされるように、債券は公社債市場で売り買いされます。つまり、「利子をもらえる権利・お金を返してもらう権利」を、株と同じ有価証券として取引するのです。株式にリスクがあるように、債券にもリスクがあり、借金が約束どおりに返済されないリスク(信用リスク)や、市場の金利の動向(金利変動リスク)などに左右されます。

市場にはさまざまな債券がありますが、それらすべての平均価格を割り出すことで得られるのが債券インデックスという数字です。

たとえば、NOMURA-BPI総合指数は日本国内の公社債の指標ですし、アメリカのS&P債券インデックスは、S&P500社が発行する社債に連動した指標です。

個々の債券には個別のリスクがあります。これらすべてを合わせた債券インデックスに投資して、個々の債券のリスクを分散したのが、債券インデックス投資信託です。

リスクの味を「水」で薄める――債券インデックス投資信託

……ちょっと難しかったでしょうか? ここまでずっと株の話をしてきたのに、いきなり債券が登場したので、ちょっと混乱した人も多いと思います。ひとまずここでは、「株式インデックス投信の市場リスクを低下させるには、株“以外”(=債券)のインデックス投信が有効らしいぞ……」ということさえ押さえていただければ大丈夫ですので、安心してこの先も読み進めてください。