ヤマハのバイク運転ロボットは「人中心」イノベーションの手本だ東京モーターショー2015で初披露された「MOTOBOT」。モーターサイクル技術とロボティクス技術を融合した、ヒト型自律ライディングロボットとして注目を浴びた Photo:Ken Ishii/Getty Images for Yamaha Motor Co., LTD

 今世界中のビジネスパーソンがイノベーションを起こすための情報を探しに、大挙してシリコンバレーを訪れている。しかし、ただ漠然と「何かホットな情報を探してこい」というような発想で人を送り出しているようでは、シリコンバレーからは何も学べない。

 鍵となるのは、業界を超えた幅広い知識(左右)と、コミュニティー内部からの深い情報(上下)、それに過去から現在、未来への時間軸を意識した洞察を加えた、3次元コンテクストの理解だ(詳細は5月28日付の本欄参照)。

 日本企業はこの3次元コンテクストの理解が大の苦手だ。私は、その原因は「人」のマネジメントにあると考えている。

 3次元コンテクストを理解し、それを自社への示唆を得るように想像力を働かせ、イノベーションのきっかけをもたらすのは、関わる人の力とセンスに依存する。そのため、組織は個性ある「人」が主体であることが大前提だ。