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イケテルカノジョ養成講座

直感が、あなたとあなたの運命、そして人生を決める
【前編】

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第7回】 2012年3月30日
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ぼくの学習ノートの上に、机の上に、木々の上に、ぼくは書く。きみの名前を。 そしてひとつの言葉の力で、ぼくはまたこの人生を歩み始める。ぼくは生まれ た、きみを知るため、きみの名前を呼ぶために――、ポール・エリュアールの『自由』より。
 
 

 カメラマン同行で取材をするとき、たとえばそれが室内だったりすると、私は取材相手と対面して座り、カメラマンは動きまわって、あらゆる角度から取材相手の表情を収めようとする。これがインタビュー取材の現場です。

 が、ときおり、それを鬱陶しく感じることもある。
  カメラマンがやたらとシャッターを押すようなときだ。

 なるほど。それで? ほほ~、わかります。私もそう思います。そーいうときってのは誰もがひどく落ち込むものですよね。で、どーなんです、本当のところは――、とこちらが取材を進めているさなか、カメラマンがうろちょろし、バッシャバッシャと写真を撮りまくると気が散ってかなわんのだ。

 取材相手が、いまにも切ない真情を吐露しようかという瞬間などは特に。

 そんなときにかぎって、取材相手もカメラマンの動きにあわせ、視線がちらりと彼のほうに動いたり、すると、会話というものの集中性も欠いてくる。いままさに真相が語られようというときに、やっぱり言うのやーめた。なんてことにもなりかねない。で、あるとき、一緒に組んだカメラマンにこんなことを言ってみた。

 「今日の取材は約三時間。その間に、きみは十回しかシャッターを押してはならん」

 いいか、ちゃんと数えてるからな。私はこーいうことだけはしっかり数えるのだ。
  と念を押したが、取材が始まってわずか十分のうちに、彼はもう三十回もシャッターを押していた。

 んがつつだな。私が睨みつけてるのにも気づかないんだから。そんなやつに被写体のわずかな表情の変化が撮れるかっつーの。

 そのとき、取材を終えたあとのカメラマンの反論。いろんなアングルから、少しでもいい表情のショットを押さえておきたかったから。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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