AIJ投資顧問会社による不適切な資産運用は、刑事事件として立件される方向にある。そんな中、去る3月21日、独立系の資産運用会社11社が商品横断的に集結し、政官界の方々や専門家の方々を交えて、「ファンドの春」というシンポジウムが開かれた。当日の発言者は表の通りである(*印は発起人)。

 当日の様子は、TV・新聞等でも報道されており、大まかな様子は伝わっているかもしれないが、紙面や放送時間の制約からどうしても表面的な捉え方になってしまっている。しかし、実際には、このシンポジウムは、商品横断的であり、かつ、客観的な専門家の見解も得ているため、AIJ問題のみならず、それに派生する論点が多面的に検討された本邦初の歴史的な集会であった。

 シンポジウムの全容は、当日、同時中継されたUSTを是非ともご参照願いたいが、筆者なりに、当日、並びに事前に提出された資料等から、全員に共有された論点を4つにまとめて整理しておきたい。

 なお、この事件に関する筆者自身の見解は、既に先月の本欄で述べた通りである。本稿では、筆者の意見は控え、参加者の意見を集約するように努めたが、(当然ながら)筆者の意見と重なる部分があることはご容赦頂きたい。

AIJ事件の本質を語りあった<br />独立系金融ベンチャーの挑戦