経営×ソーシャル
識者に聞く ソーシャルメディア進化論
2018年5月15日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

AIは“ひみつ道具”で“ドラえもん”はALIFE。社会を良くするにはドラえもんが必要だ

【池上高志氏×武田隆氏対談1】

AI(Artificial Intelligence)についての議論がかまびすしい。「AIで何ができるのか」に始まり、「AIの普及で仕事を奪われる」といった悲観論まで、AIをめぐるトピックは多岐にわたる。その幅広さはすなわち、AIへの注目度の高さの表れと見ることもできる。ことほどさようにAIについての議論が高まっている昨今だが、カオス理論や人工生命をテーマに研究を続ける池上高志 東京大学教授は、「AIとはつまり『自動化ロボット』。これからの社会を良くしていくには『自律化ロボット』が必要だ」と語る。果たしてその真意とは?

分解するのではなく
全体をそのまま理解しようとする

人工生命の権威がAI社会のリスクと「ドラえもん」のようなロボットの必要性を説く池上高志(いけがみ・たかし)
1961年、長野県生まれ。複雑系・人工生命研究。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士(物理学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科・広域システム科学系・教授。人工生命(ALIFE)に新たな境地を切り拓き、研究を世界的に牽引。アート作品でも注目される。著書に『動きが生命をつくる』(青土社、2007年)、『生命のサンドウィッチ理論』(講談社、2013年)、『人間と機械のあいだ』(講談社、2016年)など

武田隆(以下、武田) 今回は、カオス理論や人工生命をテーマに研究されている池上高志先生に、「カオスの時代に企業はどう勝ち残るか」というテーマでお話を伺います。池上先生は、もともと物理学を専攻されていたんですよね。

池上高志(以下、池上) はい。ずっと生命に関心があったのですが、学生の時は、生物学に進むのは気が進まなかったんですよね。当時は分子生物学の研究が盛り上がっていたものの、「ものを分解すればわかる」という考え方に、なんとなくなじめませんでした。

武田 分子生物学というと、分子のレベルで生物の構造を解明しようという学問ですよね。

池上 ええ。ただ、それで「生命とは何か」がわかるとは思えなかった。そもそも自分自身が「生命」なので、生命の存在を当然だと思う発想から抜け出すのは難しいものです。

武田 当たり前すぎるくらい自明だと思っているものを証明するとなると、たしかに途方に暮れてしまいます。

池上 そこで、生命を物質の問題ではなく、数学の問題と捉えてみたらどうだろう、と考えました。数学的な構造が同じであれば、どんなものでも生命であると言えるのではないか。「生命とは何か」をわかるには、それくらい普遍化が必要だと思ったのです。



武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


識者に聞く ソーシャルメディア進化論

史上最も多くの人々がつながり合った今、私たちを取り巻く社会はどう変化していくのか? NTTドコモ、セブン&アイ、資⽣堂ジャパン、ライオン、森永乳業をはじめ300社超のマーケティングを支援してきたクオン代表 武田隆氏が、各分野の有識者とともに変わりゆくインターネット時代の未来を読む。

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