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吉田恒のデータが語る為替の法則

円安第二幕開始のカギを握る米国金利。
ドル/円は年後半にかけ85~90円へ上昇か

吉田 恒
【第203回】 2012年4月2日
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円安第一幕は終了、
第二幕へのカギを握るのは?

 今回は、「4月の為替を予想する」というテーマでお送りしたいと思います。

 最初に結論を述べます。私は、円安第一幕は終わった可能性もあるだろうと思っています。

 4~5月にかけて少し円高になる可能性もあるかもしれません。

 円安第二幕が始まるカギを握っているのは米国金利だと思っています。

今回の円安は一時的か?
それとも基調転換か?

 米ドル/円は2012年2月に76円から上昇し、3月には一時84円台を記録するところとなりました。

 このような米ドル高・円安の動きは、「資料1」のように、足元79円程度の52週移動平均線(以下、52週線)を先週(3月19日~)までで、すでに6週連続、最大で5%もブレークする動きとなっています。

資料1

 「資料1」でわかるように、これだけ52週線を大きくブレークしたのは、2007年からすでに5年近くも続いてきた今回の米ドル安・円高の中では初めてです。

 また、それは、「資料2」のように、今回の米ドル安トレンドに限った話ではありません。

資料2

 52週線を大きくブレークした動きは、一時的ではなく新たなトレンドが始まっている可能性を示唆していると言えそうです。

 つまり、もし、今回の米ドル高・円安が一時的ではなく、新たな米ドル高・円安トレンドが始まった動きということになると、当面、米ドルは52週線を大きく割り込むことはないといった見通しになるわけです。

 52週線は足元79円程度ですから、米ドル/円は下がったとしても、79円を大きく下回らない可能性すら出てきていることになります。

米ドル/円は年後半にかけ
85~90円を目指す

 では、新たな米ドル高トレンドが始まっているとするなら、今後、どのように展開していくのでしょうか。

 今回と似た過去のケースを参考にするのは基本でしょう。

 そこで、今回と同じように、長く続いてきた米ドル下落が終わり、上昇に転じた動きを示した年を確認すると、たとえば、2000年、2005年にありました。

 この2例では、52週線を抜けると約半年で10%程度の米ドル上昇となっていました(「資料3」参照)。

資料3

 相場は上がったり下がったり、ジグザグに動くものですが、以上を参考にすると、今後の米ドル/円は、もし下がったとしても、もう79円すら大きく割り込まず、年後半にかけて85~90円を目指して上昇していくといった見通しが基本になるでしょう。

ファンダメンタルズの
変化からは確認できない

 このような値動きからすると、米ドル高は一時的ではなく、基調転換の可能性が高そうです。

 では、それがファンダメンタルズの変化で確認できるかというとそれは違います。

 たとえば、5年近くも続いてきた米ドル安・円高を支えてきた経済環境の1つは日米の金利差がほとんどなくなったということでした。

 「資料4」は米ドル/円のポジションと日米政策金利差の関係を見たものです。

資料4

 これを見ると、日米政策金利差がほぼゼロになった中で、米ドル売りが大幅化、継続化し、一方、金利差と逆行する米ドル買いは短命に終わるパターンが続いてきました。

 ただ、金利差という面では、今はもちろんまったく状況が変わっていません。

 そうであれば、今回の米ドル買いも一時的に終わってしまうということはないでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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