古森富士フイルムHD会長株主に屈したかと思いきや、数日で富士フイルムHDサイドに戻るなど、ゼロックスの態度は二転三転。買収計画の行方は?(写真は古森富士フイルムHD会長) Photo by Yoko Suzuki

 富士フイルムホールディングス(HD)が1月に発表した米ゼロックス買収が二転三転している。

 まず4月27日、米ニューヨーク州上級裁判所が買収差し止めの仮処分を決定した。「ゼロックスのジェフ・ジェイコブソンCEOが、自らの地位を守るために富士フイルムHDとの統合を推進し、株主利益を守らなかった」という、カール・アイカーン氏ら大株主の訴えを認めた格好だ。

 さらに5月1日、突然ゼロックスが大株主2人との和解案に合意。ジェイコブソンCEOら取締役の大多数を、アイカーン氏らが推す取締役に代え、富士フイルムHDとの契約も見直すとの内容だった。

 ところがそのわずか2日後、和解案に対して定められた期限内に裁判所の認可が下りなかったという理由で、この和解案は期限切れに。ゼロックスは27日の仮処分に対し上訴していた富士フイルムHDに合流する形で、自らも4日に上訴に加わった。

 数日間でコロコロ態度を変えるゼロックス経営陣に、日米関係者が振り回される状態が続いている。