自販機市場の縮小などで苦戦するダイドー。中期経営計画の達成が危うい要因と今後の戦略を髙松富也社長に聞いた。

髙松富也(ダイドーグループホールディングス社長)Photo by Kazutoshi Sumitomo

──売上高2000億円、営業利益率4%を掲げた今年度までの中期経営計画の達成が厳しい。

 ヘルスケアなどの新事業領域でM&Aでの成果がなかったことや、主要チャネルである自販機市場の縮小が続き、収益性の改善以上に売り上げの落ち込みが激しかったのが苦戦の要因です。

 飲料購入の場は量販店やコンビニに移っており、自販機市場の縮小は今後も続く。ここ数年コンビニは、スーパーやドラッグストアに対抗しようと、キャンペーンなどでの価格戦略に力を入れており、自販機はますます厳しい。

──自販機の収益性改善では具体的にどのような取り組みを?

 全国にある28万台の自販機のうち、従来は稼働台数の1割程度を毎年新品の台に入れ替えていましたが、自販機の耐用年数を上げて新品の投入台数を約3分の2に削減しました。部品の再利用やメンテナンスを徹底することで陳腐化を抑えた。コストの改善だけでなく環境にも優しいですよね。

 現在の中計開始当初から取り組みを始めて、今効果がフルに出てきた。キャッシュフローでは既に約50億円の改善があり、償却費の削減効果は来期以降も続きます。