人事評価制度で大半の企業が評価シートに自己評価欄を設けている写真はイメージです

多くの企業が導入している人事評価制度では、人事評価シートに「自己評価欄」を設け、評価の際は社員に自己評価をさせるケースが大半であるようだ。より多面的に評価して正確で納得感のある仕組みを考えてのことだと思う。だが、むしろ、自己評価の採用は、会社や社員の成長には有害である。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

売る側の「自己評価」を
買う側は全く考慮しない

「評価」の意味を辞書で調べると次のように書いてあります。

(1)品物の価格を決めること。また、その価格。ねぶみ。「評価額」
(2)事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること。「外見で人を評価する」
(3)ある事物や人物について、その意義・価値を認めること。「評価できる内容」「仕事ぶりを評価する」
(デジタル大辞泉)

 品物、事実、人物の「価格、価値を決めること」であると書いてあります。

 商取引であれば、「評価」によって決定された「価格、価値」に対して対価が支払われることになります。

 もしくは、売る側が設定した対価が、買う側が評価した「価格、価値」と同等、もしくは下回った時に商取引が成立することになるのです。

 この際、買う側が下す評価である商品の「価格、価値」の認識に対して、売る側の「自己評価」を考慮することはあるでしょうか?