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財部誠一の現代日本私観

ミャンマーの街は日本製中古車だらけ!
激動の国でトヨタ、大和証券が存在感を増す理由

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第12回】 2012年4月11日
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クリントン国務長官の訪問を機に
激変するミャンマーのいま

 国際社会に対する米国の影響力はリーマンショック以後、加速度的に低下してきた。だが腐っても鯛というべきか。昨年12月のヒラリー・クリントン国務長官の訪問をきっかけに、過去20年間欧米からの経済制裁を受けてきたミャンマーの国情は一変した。

 国際社会における中国の存在が巨大になるなか、中国封じ込めに躍起になる米国と、中国への過大な経済依存から抜け出したいミャンマーとの利害が一致した。しかしその背景には、2011年にミャンマー軍事政権が突如として政治改革に舵を切った事実があった。

 もちろん多くの日本人にとっては、ミャンマーの軍事政権による自主的な政治改革など、にわかに信じられる話ではない。日本でミャンマーといえば、カダフィーのリビアとなんらかわらぬ軍事独裁国家としか描かれてこなかったからだ。軍事政権はやること成すことすべてが悪の所行で、逆にアウン・サン・スー・チー女史は、思惑一杯の取り巻きも含めてすべてが善として扱われてきた。

 たしかに20年前の総選挙で、アウン・サン・スー・チー率いるNDLが大勝した選挙を破棄し、彼女を軟禁し、その政治活動を封殺してきた軍事政権は民主主義の敵以外の何者でもなかった。また日本人にとっては、07年に取材中の日本人ジャーナリストが治安部隊に射殺された事件も脳裏を離れない。多くの日本人がミャンマーを悪逆非道の軍事政権とみなし、忌み嫌ってきたのも仕方のないことだった。

 だが、事実としてミャンマーの政治状況に変化は起きている。

 東南アジア事情に詳しい米国外交評議会のジョシュア・クランジックによれば、政治犯釈放や4月の選挙(アウン・サン・スー・チーが当選を果たした補欠選挙)実施など、その激変ぶりに「ミャンマー国内はもちろん米国政府内でも戸惑いが広がっている」という。

 「この急激な変化は(ミャンマー)国内の政治活動家の多くを驚かせている、アメリカの政府高官たちでさえ、わずか、1年前は、ミャンマーの将軍たちが自発的に権力を手放すことはあり得ないと見ていた」(『フォーリン・アフェアーズ・レポート』2012年NO.3)

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


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経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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