「雑談力」や「聞く力」に関する書籍がベストセラーになっています。そうしたスキルの有用性を否定しませんが、そのスキルを個別に磨くことが会話力のアップに直結するわけではありません。会話は相手との共同作業で、例えるなら大縄跳びのようなもの。一人だけジャンプ力を鍛える練習をしても不十分なのです。では、何を鍛えるのが最も効果的なのでしょうか。それが「即応力」なのです。今回は『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』の中から、「即応力」について紹介します。

「聞く力」「雑談力」を鍛えても
会話力がアップしない理由

 ここ数年、会話に関する本が売れています。そのベストセラーの多くは、「聞く事」、もしくは「話す事」がテーマとされています。ですから、「聞く力」や「質問する力」などを、個別に鍛える事が会話力のアップに繋がるという誤解をしている人が多いかもしれません。ですが、それが難しいという事は、大縄跳びの練習を思い浮かべればすぐに分かります。

 大縄跳びを上手く跳ぶには回す人と跳ぶ人が、お互いが息を合わせてテンポよく回したり飛んだりする必要があります。もし、縄を回す人が1人で腕の筋肉を鍛え、飛ぶ人が1人でジャンプ力を鍛えて、それぞれがゴリゴリのマッチョになったとしても、それだけでは大縄跳びは決して上達しません。会話力のアップはそれに非常に似ています。いくら、各自で「話す」「聞く」の練習をしても、会話のテンポをコントロールする力が不十分だと会話力はアップしません。

 この会話のテンポをコントロールする力が「即応力」なのです。この即応力が身についていないので、会話が上手く噛み合わないのです。